講演情報

[P-058]中学生における食育授業の1年後の骨量と食習慣・生活習慣に関する検討

〇星野 亜由美1、岸田 恵津1、布谷 芽依1、相川 美和子2 (1. 兵庫教育大、2. 兵庫教育大学附属中)
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キーワード:

食育、骨量測定、骨量変化、中学生、食習慣・生活習慣

目的 骨量測定を取り入れた教科横断的な食育授業を実践し,1年後に追跡調査を実施した。本研究はこれらの結果を基に,中学生の骨量変化の特徴を明らかにすること,食育授業が生徒の1年後の食習慣・生活習慣の変化に寄与するかを検討することを目的とした。
方法 食育授業:2021年7月に2年生を対象に,保健,数学,家庭による4時間の食育授業を実施した(星野他,中学校における「骨と健康」に関する教科横断的な食育の実践,日本家政学会誌,印刷中)。追跡調査:2022年7月に3年生71人を対象に,骨量測定と質問紙調査を実施した。骨量は超音波骨量測定装置により右踵骨を測定した。質問内容は,食習慣・生活習慣に関する項目とした。併せて食育授業で学んだことを自由記述で尋ねた。
結果 骨量の指標であるOSI(音響的骨評価値)の平均値は,男子が中学2年次2.615,3年次2.748,女子が2年次2.759,3年次2.831であり,1年間で増加傾向がみられた(p<0.1)。食習慣・生活習慣について,2年次に比べ3年次では運動部に所属する者の割合が低下し,カルシウムを多く含む食品の摂取頻度も概ね低下した(p<0.05)。自由記述は,9割以上の者が記入し「運動」「カルシウム」等の語が出現した。以上,中学2年次から3年次は骨量増加に重要な時期と示唆されたが,単発的な食育授業は生徒の食習慣・生活習慣の改善には寄与せず,継続的な食育支援が必要と考えられた。