講演情報

[P-089]未来の家庭展望尺度を用いた大学生の家庭展望の類型化

〇渡辺 朗生1、今川 真治1 (1. 広島大)
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キーワード:

未来の家庭展望、大学生、家庭展望の類型化

目的 本研究は, 筆者が独自に開発した未来の家庭展望尺度を用いて大学生の未来の家庭展望を類型化することを通して,大学生がもつ未来の家庭生活に対する意識やその構造を明らかにすることを目的とした.
方法 大学生を対象に2022年9~11月に質問紙調査を実施し,405名から有効回答を得た.未来の家庭展望尺度を作成するために,青年が未来の家庭生活について想定できる31項目を設定して因子分析を行い,作成した尺度の信頼性と妥当性を検討した.その後,各因子得点を算出した上でクラスター分析を行い未来の家庭展望の類型化を行った.
結果 因子分析を行うにあたって,31項目のうち因子寄与率が0.400未満であった項目などを除外し分析を行った結果,解釈可能な5因子29項目が抽出された.5因子は「見通しの明確性(6項目)」,「希望・自信(8項目)」,「志向性(5項目)」,「渇望(6項目)」,「将来に向けた準備(4項目)」と命名することが可能であった.尺度の信頼性を示すα係数の値が全ての因子において高いこと,また尺度の妥当性を示すSRMR,CFI及びRMSEAの3つの基準値が良適合を示すことを確認した.次に,未来の家庭展望を類型化することを目的としてクラスター分析を行った結果,5類型が抽出された.各類型における特徴を考察した上で,未来の家庭展望を「希望自信高群」,「無関心群」,「渇望群」,「楽観群」,「関心群」と命名して類型化した.