講演情報
[P-091]ジェンダー視点から見る新学習指導要領による小学校用教科書内の職業について
〇室 雅子1、古川 真有1 (1. 椙山女大)
キーワード:
教科書、ジェンダー、職業、小学校
【目的】社会において女性の社会進出や多様化が進められ、ジェンダーによる職業観も変わりつつある。教科書は子どもが学校で日々目にするものであり、教科書内のジェンダーバイアスは刷り込みになる可能性がある。鈴木・室(2017)にて、1人の小学生6年間の2008年学習指導要領に基づく検定教科書の分析により、教科書内の職業の男女割合を明らかにし、男女が等しく描かれていないことを報告した。2017年に新学習指導要領が告示され教科書も新しくなったが、教科書内の職業におけるジェンダーバイアスは変化したのであろうか。本研究では現行学習指導要領下の小学校教科書内に見られる職業を分析し、変化が見られたか明らかにすることを目的とした。
【方法】前研究と同社・同題の教科書最新版(全学年・全教科)を対象とし、挿絵と写真に表れた職業の従事者数や種類を調べた。
【結果】全体の職業従事者数および職業種類数ともに男性の割合が高く、改定前と割合の変化もほぼなかった。職業分類別では女性が描かれていない職種があり、「専門的・技術的」職の女性割合が4割以下など改定前と大きな変化は見られなかった。職業が最も多く描かれていたのは社会科で、男女比が50%に近くなった職業もあったが、男性が多いことは変化なかった。また上級学年ほど女性の職業従事者割合が低下していた。総合的にみてジェンダーバイアスはあまり改善されていないことがわかった。
【方法】前研究と同社・同題の教科書最新版(全学年・全教科)を対象とし、挿絵と写真に表れた職業の従事者数や種類を調べた。
【結果】全体の職業従事者数および職業種類数ともに男性の割合が高く、改定前と割合の変化もほぼなかった。職業分類別では女性が描かれていない職種があり、「専門的・技術的」職の女性割合が4割以下など改定前と大きな変化は見られなかった。職業が最も多く描かれていたのは社会科で、男女比が50%に近くなった職業もあったが、男性が多いことは変化なかった。また上級学年ほど女性の職業従事者割合が低下していた。総合的にみてジェンダーバイアスはあまり改善されていないことがわかった。