講演情報
[P-093]無意識のジェンダーバイアスに関する研究
〇森田 美佐1 (1. 高知大)
キーワード:
ジェンダー平等、ワークライフバランス、家政学
【目的】本研究の目的は、人々が他者から言われたり聞いたりした、ジェンダーに関する無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する経験や思いを整理した上で、性別にかかわらず、誰もが生きやすい社会を構築するために、我々にどのような生活の実践や学びが必要とされるのかを考察することである。 【方法】本研究は、内閣府男女共同参画局に許可を頂き、同局が実施した「令和3年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」の結果を考察させて頂いた。 【結果】人々が最近の出来事として、周囲から言われたり聞いたりしているジェンダーに関する無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の内容は、「性別職域分離」「稼得責任」「家事・ケア責任」「跡継ぎ」「地域・社会活動」等に分類できた。また、その思い込みは性別を問わず、社会活動や人間関係において、建前上、反論が困難な相手から浴びている様子が散見された。そして現在、日本でジェンダー平等の必要性が社会的にも問われている一方で、若年世代の女性の回答からは、彼女たちが今も周囲の大人から、勉学に励むことや職業をもつこと、経済的自立等を果たすこと等よりも、結婚、出産、家事・家族のケアを優先するように言われている実態も見受けられた。しかし若年世代の男性の回答からは、彼らが無意識の思い込みの払拭を目指している傾向もうかがえた。