講演情報

[P-097]幼稚園における音への感受性を育む音楽プログラムの開発

〇伊藤 優1、徳田 海1 (1. 島根大学)
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キーワード:

幼稚園、音楽プログラム、5歳児

目的 本研究は、幼稚園における幼児の音楽に対する豊かな感性を育むプログラムを開発し、5歳児を対象にその効果を検討する。
方法 対象幼稚園Fにおいて開発したプログラムを実施し、プロブラム実施前後に参与観察、保育者インタビュー及び保育者への質問紙調査を行い、前後の比較から見られる変化を分析することで開発したプログラムの効果を検討した。
結果 対象児にとって身近な自然材を用いて音を鳴らす楽しさや音の違いを感じられるプログラムを開発した。その結果、プログラム実施前に比べ実施後に、子どもたちが音に対して肯定的な反応を示すようになったと保育者が捉えていた。また、事前の観察及び保育者へのインタビューから、子ども達は遊び時に生じる音に対して気に留める様子が見られなかったが、事後では、生活場面で音に気付き、音楽表現を楽しむ事例が多く見られるようになった。本プログラムが子どもに肯定的な変化をもたらした要因として、(1)子どもにとって身近な素材を利用したプログラム構成、(2)楽器を作る活動の最中に「どっちの音が好き?」等のように意識的に音へ気付かせ、音を聴かせる声かけなどの支援、(3)プログラム直後に音についての発見を友達と共有させる場面設定等があげられる。加えて、プロブラム前後で保育者の音楽活動にも変化が見られた。