講演情報

[P-102]幼児期の手縫いによる手指の巧緻性に関する考察家庭科教育への接続と内容の検討

〇松田 典子1 (1. 文教大)
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キーワード:

子どもの発達、手指の巧緻性、家庭科への接続、幼児期、手縫い

【目的】幼稚園や保育所の一部では、5歳児で簡単な手縫いの裁縫によるものづくりを行っているところがある。小学校の家庭科で学ぶ手縫いの内容と似ているところがあり、幼児から低学年の子どもが針と糸を使った布の手縫いでできることはどのようなことか、またどのくらい意欲的に取り組むことができるのかを考察した。幼児期の子どもができることを明らかにすることで、小学校5年生から始まる家庭科の内容とどのように接続できるのかを検討した。【方法】小学校家庭科の教科書に掲載されている(1)ポケットティッシュカバーづくり、(2)フェルトで作るカード入れ、の2種類について、幼稚園・保育所の5歳児の園児2名を対象に、手縫いによって作る工程をビデオ撮影による観察法で考察した。(期間:2023年1月~2月)【結果】幼児の手縫いでは、(1)、(2)とも、なみ縫いを行ったが、針の扱いを理解し進めることができた。ただし、はじめと終わりの玉結びや玉どめ、(1)の開き口を補強するための返し縫い、(2)のボタン付け等はできないため、適宜、大人のサポートが必要となる。(1)は直線縫いのみ、(2)は直線縫いに加え、角が2か所あるが、縫い方を理解して進めることができた。またなみ縫いはできたが、かがり縫いは針の進め方は理解しても行うことは難しいようであった。幼児期の子どもの関心を高められる教材づくりをすることで、その後の小学校家庭科への接続が期待できる。