講演情報

[P-105]ヒトカルシニューリン活性に対する市販陰イオン界面活性剤の影響

〇秋山 珠璃1、山田 亜夢2、星野 円桂2、曽根 保子2、田中 進2 (1. 東都大、2. 高崎健康福祉大)
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キーワード:

陰イオン界面活性剤、カルシニューリン、セリン/トレオニンホスファターゼ

目的 カルシニューリン(CN)はCa2+/CaM依存性のセリン/トレオニンホスファターゼであり,免疫抑制剤の標的酵素として知られている.先行研究において,我々は,陰イオン界面活性剤である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)が大腸菌由来のリコンビナントヒトCN(rhCN)を阻害することを明らかとしてきた.本研究では市販の陰イオン界面活性剤の中でも各種スルホン酸塩を使用してrhCNに対する影響を検討したので報告する.
方法 スルホン酸塩はA社から市販されているアルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩,アルカンスルホン酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた.rhCNの活性測定は基質としてRⅡリン酸化ペプチドを使用し,任意濃度の各種スルホン酸塩をそれぞれ添加し,37℃,60分の酵素反応で生成したリン酸をマラカイトグリーンで反応させて,620nmの吸光度を測定することにより行った.
結果 本実験で使用したスルホン酸塩の一部は,低濃度においてrhCNのホスファターゼ活性の上昇を認めた.しかし程度に差があるものの高濃度においては,いずれもrhCN活性に対する阻害作用を示した。50%阻害濃度(IC50)を求めたところ,同じスルホン酸でもその構造の違いによってIC50が異なることが示された.