講演情報

[2A-03]タラコ含有ビタミンB12の加工工程における損失割合

*桂 博美1、谷口 果子1、濱田 真悠子1、松浦 実紀1、石倉 美咲1、津中 梨沙1 (1. 京都女大)

キーワード:

ビタミンB12、タラコ、食品加工

【目的】魚卵にはビタミンB12(B12)がレバーと同程度に含まれており、優良な供給源の一つであると考えられる。しかし、生の魚卵が入手できる時期は短く、魚卵の多くは冷凍保存や加工された後に流通している。ところが、魚卵含有B12の加工等の影響はほとんど検討されていない。そこで本研究では魚卵の中で最もよく食べられているタラコに着目し、塩蔵タラコおよび調味漬けによるビタミンB12量の変動について検討した。【方法】生のスケソウダラの卵巣(真子)を購入し、5%NaClを振りかけて24時間冷蔵で漬けた。漬け込み3時間後までは1時間ごとに2~3回上下を入れ替えた。この自家製の塩蔵タラコおよび市販の塩蔵タラコを、3.5%NaCl溶液に24時間漬けた。それぞれの加工条件におけるタラコとタラコを漬けた液を回収しB12含有量を微生物学的手法で定量し、漬け込み液に流出したB12量とその割合を決定した。他に水分と塩分を合わせて測定した。多重比較検定はTukey-Kramer法を用いた。【結果】市販および自家製塩蔵タラコに含まれるB12量は、20.4±4.1μg/100gであり、3.5%NaCl溶液に24時間漬けると12.0±3.7μg/100gと有意に減少した。また、タラコを浸漬した後の3.5%NaCl溶液に含まれるB12を定量しその移行割合を検討したところ、約40%のB12が漬け込み液中に流出していたことが明らかにされた。