講演情報
[2A-04]栗皮パウダーの栄養価とその加工飲料の機能性および嗜好性
*湯浅 正洋1、山田 裕貴2、花村 衣咲3、若杉 正明2、若杉 宏美2 (1. 神戸大、2. 京丹波栗工房、3. 長崎県立大)
キーワード:
栗の皮、栄養価、総ポリフェノール、嗜好性、飲料
目的:工業的な栗加工時の廃棄率は40~50%にのぼり,この廃棄に伴う環境負荷軽減などの観点で,その有効活用が求められている.これまでに,栗の皮から有効成分を抽出して機能性素材に利用する例はあるが,残渣が廃棄物として生じるため,環境負荷の観点での課題が残されている.本研究では,この残渣まで丸ごと摂取することで,環境負荷軽減も達成できる栗皮パウダーの開発を試みた.
方法:栗の廃棄物に乾燥加工を施した後粉砕し,ふるいにかけるなどして粒度を揃えて栗皮パウダーを調製した.栄養成分分析により栗皮パウダーの栄養価を確認し,パウダーを湯に溶いた残渣ごと摂取できる飲料を調製し,その抗酸化性や嗜好性を評価した.
結果:栗皮パウダーの全体の88%が炭水化物で,全体の50%以上が食物繊維であった.総ポリフェノールは3,753~6,448 mg GA eq/100 g DWと,高い抗酸化性を持つことも確認された.栗皮パウダーを湯に溶いた栗皮飲料と,同様に残渣ごと摂取する既存の飲料(ほうじ茶,柿の葉茶,グァバの葉茶,桑の葉茶)とを比べると,桑の葉茶以外の飲料よりも総ポリフェノール濃度が高く,パウダーの性状から食物繊維も高配合となることから,一定の機能性が期待できることが確認された.官能評価では,栗皮飲料の外観・舌ざわり・味などの好みは他の飲料と比べて大差はみられず,残渣ごと摂取する既存の飲料と同様に飲用可能であることが示唆された.
方法:栗の廃棄物に乾燥加工を施した後粉砕し,ふるいにかけるなどして粒度を揃えて栗皮パウダーを調製した.栄養成分分析により栗皮パウダーの栄養価を確認し,パウダーを湯に溶いた残渣ごと摂取できる飲料を調製し,その抗酸化性や嗜好性を評価した.
結果:栗皮パウダーの全体の88%が炭水化物で,全体の50%以上が食物繊維であった.総ポリフェノールは3,753~6,448 mg GA eq/100 g DWと,高い抗酸化性を持つことも確認された.栗皮パウダーを湯に溶いた栗皮飲料と,同様に残渣ごと摂取する既存の飲料(ほうじ茶,柿の葉茶,グァバの葉茶,桑の葉茶)とを比べると,桑の葉茶以外の飲料よりも総ポリフェノール濃度が高く,パウダーの性状から食物繊維も高配合となることから,一定の機能性が期待できることが確認された.官能評価では,栗皮飲料の外観・舌ざわり・味などの好みは他の飲料と比べて大差はみられず,残渣ごと摂取する既存の飲料と同様に飲用可能であることが示唆された.