講演情報

[2A-05]大麦粉の粒度の相違がクッキーの品質および嗜好性に及ぼす影響

*谷口 明日香1、大頭 莉乃1、小林 理恵1 (1. 東京家政大)

キーワード:

大麦粉、クッキー、粒度

【目的】優れた健康増進効果が知られている大麦は、粉としての利用促進が図られている。現在、大麦粉は複数のメーカーから販売されているが、それらの製粉状態は異なり、この相違は調理品の最終品質に大きく影響する。そこで今回は、大麦粉の特性の中でも粒度に焦点を当て、粒度により調理品の品質および嗜好性がどのように異なるのかを明らかにした。
【方法】調理モデルとしてクッキーを選択した。粒度が異なる3種の大麦粉(微粉・中間粉・粗粉)を用いてクッキーを調製し、明度および色度、断面観察、破断強度および油じみ量を測定した。さらに、分析型ならびに嗜好型官能評価を実施し、これらにより各種クッキーの品質および嗜好性を評価した。
【結果】大麦粉クッキーは、粒度の相違に伴い異なる品質を示した。使用する大麦粉の粒度が大きいと、そのクッキーの黄色味は強く、よりもろい食感となった。一方、粒度の小さなクッキーにおいては、経時的な油じみ量が少なく、口どけがよいと評価された。これらの嗜好性はいずれの粒度においても良好であり、本研究では粗粉クッキーにおいて特に高い嗜好性を示した。したがって、大麦粉クッキーにおいては、目的とする最終品質に合わせた粒度の選択が可能であり、中でも粒度の大きな大麦粉を使用することで、より嗜好性の高いクッキーを調製できると考える。