講演情報

[2I-03]4つの使途を持つ小遣い帳アプリの活用は小学生の金融ウェルビーイングを高めたか

*髙橋 桂子1、猪瀬 武則、笠井 直美2、関 慎太郎3、久住 翔子4 (1. 実践女子大、2. 新潟大、3. 豊浦小、4. 新潟大附属長岡小)

キーワード:

小遣い、意思決定、4つのスロット、お金の管理、目的別分類

目的:小学生向け小遣い帳の多くは収入・支出の記録に留まり、家庭科の肝である「意思決定」を意識したものはほとんどない。アメリカでは4つのスロット (Spend, Save, Donate, Investment) がある貯金箱を用いて、小遣いを手にした段階で何に使うのか意思決定させる貯金箱がある。自分で使途を決定するという段階を踏むことで、主体性、プランニング能力が醸成され、それらを通して金融ウェルビーイングに接近できると考えた。そこで小遣いをもらった段階でその使途を決定させ、枠内でのみ支出できる小遣い帳アプリを設計・開発し、冬休み期間、記録をつける課題を出して効果を検討した。
方法:小学校5-6年生120人に協力いただいた。使途はつかう、ためる、ゆずる、ふやすの4つである。休暇前にアプリの使用方法を説明し、休暇明けの振り返り授業でアプリ開発者(電気通信大学学生)と共に意見交換を行った。なお、実践に先立ち、保護者に説明書を配布した。
結果:「これまではお小遣いがはいったらラッキーと思ってすぐ使ってしまっていたけど、宿題が出て考えることで、なんか自分のお金という感じがした」、「使う金額を決めてから購入するようになった」や「身近な寄付活動に参加できたのが嬉しかった」など記述がみられた。