講演情報

[3A-03]スマートフォン搭載3Dスキャナを用いた食品咀嚼解析と嚥下への応用

*武政 誠1、菅原 翔1 (1. 東京電機大学)

キーワード:

咀嚼、嚥下、スマートフォン、3Dスキャナ、深層学習

目的 摂食は動物にとって最重要動作だが、ヒトでも摂食及び嚥下は誤嚥予防なども健康長寿には欠かせない。一方、その評価は著しく困難であり強い需要に応えられる簡便な評価方法は存在しない。口を閉じた状態で行われる動作の詳細を非侵襲かつ簡便に評価可能な手法の報告例はなく、咀嚼、また嚥下動作が非常に複雑な点に起因していると考えられる。本研究では、非侵襲でかつ家庭で誰でも簡便に咀嚼や嚥下に関する情報を得る方法を開発することを目的とした。 実験方法 スマートフォン搭載3Dスキャナで咀嚼・嚥下中の顔表面の動作を時系列データとして記録するアプリケーションを開発した。得られた顔表面形状の時系列データを深層学習により、各種教師あり学習を実施した。教師ラベルとして、摂食した食品の種類、量、フレーバーの種類や量、嚥下のタイミング、さらには食感オノマトペとの対応(官能評点)を利用し、数千回規模の食感ビッグデータを取得し、食感学習モデルを構築した。 結果 咀嚼中の食品の種類や量を、顔表面形状の4Dデータから深層学習で推定することに、8割程度の確度で推定可能となり、咀嚼中の顔表面の動作は、食感やフレーバーの影響を強く受けることが明らかとなった。また、嚥下タイミングを本手法で推定することにも成功した。今後、咀嚼や嚥下のより詳細な情報を、直接3Dデータの解析から、また深層学習により回帰分析を組み合わせることで、取得可能になると期待される。