講演情報

[P-009]フルーツパプリカの栽培過程におけるミネラルおよびビタミンC含有量の周年変動の解析(その2)

*今田 桜1、丸田 ひとみ1、山下 広美1 (1. 岡山県立大学)

キーワード:

周年変動、ミネラル、ビタミンC

【目的】ミネラルは、野菜の生長や生理障害に密接に関係していると言われている。生理障害に関して土壌など環境に着目した研究は多くあるが、果実のミネラル含有量について調査した研究は少ない。そこで、本研究では岡山で栽培されるフルーツパプリカのミネラル含有量の変動を把握することを目的として解析を行った。また、パプリカに多く含まれるビタミンCについても環境要因による変動について解析した。
【方法】試料は、太陽光利用型ハウスで栽培された赤・橙・黄色のフルーツパプリカ夏作と冬作を用いた。夏作は2023年1月に作付けし9月から翌年2月まで採取された2023年作の検体と2024年3月に作付けし6月から8月まで採取された2024年作の検体を用いた。冬作は2023年8月に作付けし11月から翌年5月まで採取された2023年作の検体を用いた。ミネラル含有量は、原子吸光光度計で7元素(Zn、K、 Mn、Ca、Fe、Cu、Mg)を測定し、ビタミンC含有量はHPLC法により測定した。
【結果】Zn含有量は、夏作と冬作ともに秋から冬にかけて有意に低下した。Znは植物の生育に必須な元素であり、気温の下がる秋から冬で植物の成長低下と共に必要量が低下した可能性が考えられた。ビタミンCは、夏作と冬作の年間平均値が100gあたりRedで221mg、Orangeで222mg、Yellowで215mgと高い数値を示し、冬に含有量が高くなる傾向が示された。