講演情報

[P-013]認知症グループホームにおける食事提供の現状と課題

*久保田 のぞみ1、福士 一恵1、岡部 哲子2 (1. 名寄市立大学、2. 天使大学)

キーワード:

認知症グループホーム、食事提供、栄養ケア

【目的】日常生活の場である認知症グループホーム(認知症GH)の食事は、利用者の嗜好や楽しみなどのQOLを重視しながら、認知機能、健康の保持にも配慮する必要がある。認知症GHの栄養ケアのあり方を検討することを目的に食事提供に関する調査を行った。
【方法】北海道内全認知症GH 1,012事業所を対象に2024年9月に自記式質問紙調査を郵送した。調査項目は、施設の概要、調理方式、献立作成者、食事提供や栄養ケアに困っていることなどである。
【結果】302事業所から回答を得た(回答率30.0%)。経営主体は株式会社が106事業所と最も多かった。普通食以外に273事業所がきざみ食を、182事業所がミキサー食などの嚥下調整食を提供していた。完全調理品や他施設で調理された食事を利用していた事業所もあったが、施設内での調理が多く(221事業所)、その献立作成、調理の主たる担当職種は介護職員であった。また約8割が今後も施設内調理を継続する予定と回答した。食事提供で最も優先していることは「食べやすさ」「嗜好」であり、困っていることは「食材料費」「献立」が多かった。栄養ケアでの困っていることには「個人にあった食形態」「誤嚥・窒息」「体重の増減」があげられた。
【考察】認知症GHでは家庭の役割として食事づくりを重要視している。利用者の健康状態が多様化するなか、限られた職員で事業所内調理を継続できる方法の検討が必要である。