講演情報
[P-021]乳化強度の違いによる「三不粘」の調製および品質評価
*小泉 昌子1,2、成澤 葵南1、髙尾 天音1、峯木 眞知子2 (1. 玉川大、2. 東京家政大)
キーワード:
卵黄、馬鈴薯でんぷん、乳化、糊化、三不粘
【目的】三不粘とは、皿・箸・口に付着しないという意味の中国宮廷料理のデザートである。卵黄の乳化性・熱凝固性およびでんぷんの糊化特性を利用して調製される。伝統的な調製方法は、材料を混合して中華鍋で熱し、液体油を少しずつ加え、乳化させながら熱凝固させる。そのため三不粘は、卵黄・水中に油・でんぷん・砂糖が分散した、多成分分散系の調理品である。本研究では乳化強度を可変させて三不粘を調製し、その品質を評価した。
【方法】材料は、卵黄、液体油、砂糖、馬鈴薯でんぷん、水を用いた。調製モデルは、ブレンダー乳化→フライパン加熱の操作を2回繰り返した。材料の投入タイミングは、次の3種とした。①すべての材料を最初から乳化 ②液体油1/2と他の材料を最初に乳化して2回目の乳化で残りの1/2液体油を追加 ③液体油以外の材料を最初に乳化して2回目の乳化で全ての液体油を追加。測定項目は、光学顕微鏡観察、テクスチャー特性、色であった。
【結果】ブレンダーで乳化した時間から、乳化強度が強い順番に、①>②>③試料であった。3試料の油滴サイズを比較すると、小さい順番に②>①>③試料であり、液体油の乳化強度が強く加熱時間も長い①試料では、乳化壊れを引き起こしたと判断できた。油滴の小さかった②試料は、かたく、付着性が高かった。この結果から三不粘の調製には、適切な乳化強度が必要であり、それにより「三不粘」の食感を調製できることがわかった。
【方法】材料は、卵黄、液体油、砂糖、馬鈴薯でんぷん、水を用いた。調製モデルは、ブレンダー乳化→フライパン加熱の操作を2回繰り返した。材料の投入タイミングは、次の3種とした。①すべての材料を最初から乳化 ②液体油1/2と他の材料を最初に乳化して2回目の乳化で残りの1/2液体油を追加 ③液体油以外の材料を最初に乳化して2回目の乳化で全ての液体油を追加。測定項目は、光学顕微鏡観察、テクスチャー特性、色であった。
【結果】ブレンダーで乳化した時間から、乳化強度が強い順番に、①>②>③試料であった。3試料の油滴サイズを比較すると、小さい順番に②>①>③試料であり、液体油の乳化強度が強く加熱時間も長い①試料では、乳化壊れを引き起こしたと判断できた。油滴の小さかった②試料は、かたく、付着性が高かった。この結果から三不粘の調製には、適切な乳化強度が必要であり、それにより「三不粘」の食感を調製できることがわかった。