講演情報

[P-025]焼き枝豆の破断特性、匂い成分および官能特性の評価と食塩添加の影響

*山口 智子1、塩原 和花子1、赤澤 隆志1、勝見 一生1、西海 理之1 (1. 新潟大)

キーワード:

焼き枝豆、くろさき茶豆、破断特性、匂い成分、食塩、官能特性

【目的】新潟県は枝豆の産地である。くろさき茶豆は新潟市西区黒埼地区で栽培されているブランド枝豆で、茶豆特有の外観とともに、芳醇な香りと良食味を特徴とする。一般的に枝豆はゆでて食べるが、近年さまざまなレシピがみられることから、本研究では焼き枝豆の物性、匂い成分、官能特性を評価するとともに、食塩の添加が枝豆の食味に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】2024年9月に収穫したくろさき茶豆を用いた。焼き枝豆は、アルミ箔に包んだ枝豆を焼き網に載せ、ガスコンロの直火で10分間加熱した。塩焼き枝豆は、重量の2%の食塩を添加した後、同様に加熱した。比較対照して、水または食塩水中でゆでた枝豆を調理した。これらについて、破断特性の評価、電子嗅覚システムを用いた匂い分析、官能評価を行った。
【結果】破断特性の評価では、焼き・塩焼き枝豆の破断荷重はゆで枝豆より有意に低く、柔らかかったが、食塩の影響はみられなかった。官能評価においても同様の結果であった。匂いの分析では、ゆで・塩ゆで枝豆ではフレッシュ、フルーティーな香りに加えて、甘い香りが検出された。一方、焼き・塩焼き枝豆ではナッツや焦げ臭が検出され、ゆで調理と焼き調理で特徴的な成分に違いがみられた。官能評価では塩ゆで・塩焼き枝豆でゆで枝豆よりうま味と甘みが有意に強いと評価された。また、焼き枝豆では食塩を添加しなくても、うま味や甘み、コクを強く感じる傾向がみられた。