講演情報

[P-031]鶏唐揚げのおいしさの定量化

*上野 茂昭1、長 拓実2 (1. 埼玉大、2. 愛知学泉大)

キーワード:

鶏唐揚げ、機器分析、官能検査

目的 揚げ物は揚げたてが最もおいしいものの,コンビニエンスストア(CVS)やスーパーマーケットの総菜コーナー,および家庭調理のように,揚げ調理後に時間が経ってから食することも多い.揚げ物に関する既往研究は,揚げ衣や揚げ油に関する研究が主であり,調理保存後の品質特性に関する研究は十分ではない.鶏唐揚げは,衣のサクサク感,鶏肉のジューシーさ,軟らかさなどが,おいしさに寄与している.本研究では,機器分析および官能評価により,鶏唐揚げのおいしさを定量化することを目的とした.
方法 市販の冷凍鶏唐揚げを電気フライヤーで揚げ,種々の温湿度条件(常温中湿度,高温低湿度,高温中湿度)で4時間保存した.なお,これらの保存条件はCVS・スーパー・家庭を想定したものである.揚げたておよび保存試料について,力学特性および含水率を測定するとともに,官能評価を行った.
結果 鶏唐揚げは保存時間が長くなるにつれ,衣の含水率が低下した.一方,鶏肉そのものの含水率はそれほど変化しなかった.揚げたて試料および高温低湿度保存試料(67℃,3.5% RH)については,いくつかの物理化学特性と官能評価値との間で相互関連性が示された.一方,高温中湿度(65℃,30%RH)保存試料は,官能評価値と相互関連性が認められなかった.