講演情報

[P-033]もち性大麦糠を用いたクッキーの調理特性と官能特性の評価

*古都 丞美1、宇野 絢音2、鶴永 陽子2 (1. 鳥取短大、2. 島根大)

キーワード:

もち性大麦、未利用資源、クッキー

目的 近年,もち性大麦はその健康機能性やおいしさから,生産量が増えている.しかし,大麦の搗精歩留は約60%であり,搗精後に残る40%の外皮部分は十分に活用されていない.そこで本研究では,未利用部位の利用促進を目的とし,外皮部分を用いたクッキーを調整し,調理特性と官能特性を評価した.方法 もち性大麦は鳥取県内の生産者より入手した.原麦10kgの精麦にかかる時間は約4時間であり,前半2時間の間に出てきた外皮部分を糠外側,後半2時間の間に出てきた外皮部分を糠内側として,クッキーに使用した.試験区は薄力粉に対し,もち性大麦糠の置換割合で示した.すなわち,対照区(0%),糠内側10%,30%,50%,糠外側30%添加区の5区分を設定した.測定項目は,色調(L*値,a*値,b*値),比容積(菜種法),物性(破断応力),官能評価を測定した.結果 明るさを示すL*値が高かったのは糠内側10%であり,置換割合が高くなるほど値が低くなった.赤味を示すa*値は糠外側30%が高く褐色であった.比容積は有意差が認められなかった.物性は,糠内側30%の破断応力が有意に高かったが,官能評価では,糠内側30%,50%,糠外側30%が同程度に硬いと評価された.総合的なおいしさに有意差はなく,いずれの試験区も同程度に好まれた.本研究は公益信託家政学研究基金による研究助成の成果の一部である.