講演情報

[P-041]食用コオロギパウダーを活用したレトルトカレーの開発と販売〜昆虫食に対する嫌悪感の払拭を目指して〜

*岡本 威明1、山川 夢叶1、浮田 孝2 (1. 愛媛大、2. (株)ヒューネット 風の谷うちこおろぎファーム)

キーワード:

コオロギパウダー、脱脂、スープカレー

【目的】日本では,伝統的に昆虫を食べる文化が一部で残っており,イナゴ,蚕,蜂の子などが佃煮として販売されている. 一方,世界的な人口増加が加速する中で,食糧として利用可能なタンパク質資源は逼迫した状態になりつつあるのが現状である.そこで,高タンパク質であり,そして低環境負荷で持続可能な食糧である食用コオロギに着目し,脱脂コオロギパウダーを活用したカレーを地元企業とともに開発し販売することで,昆虫食に対する消費者の嫌悪感の払拭を目的とした。
【方法】食用コオロギパウダーは,(株)ヒューネット 風の谷うちこおろぎファームより提供して頂いた. 4種のレトルトカレーと脱脂コオロギパウダーとのマッチングに関しては,E大学の学生ならびに大学教員を対象とした官能検査により評価した.
【結果】味やテクスチャーの異なる4種のカレーと脱脂コオロギパウダーとの相性を検討したところ,比較的辛めでスパイシーなスープカレーとの相性が最も高評価であった.また,脱脂したコオロギパウダーを利用することで,カレーの重量に対し5%量添加することが可能となり,非常に栄養価の高いレトルトカレーの開発に成功した. その後,開発したカレーを瀬戸内しまなみ街道の来島海峡SAにて3日間,消費者に対し,試食も取り入れつつ商品紹介や販売を行ったところ,昆虫食を食べてみたいという意識レベルは,試食前と比べて,試食後で顕著な上昇傾向が認められた.