講演情報
[P-047]フリースクールにおける食の体験活動の実践
*近藤 里奈1、馬場 彩果2 (1. 一般社団法人YUME、2. 植草学園大)
キーワード:
食育、フリースクール、体験活動
目的 フリースクールに通う子供は,手作り弁当やコンビニ弁当,菓子パンなど各自で昼食を持参し食事をとっている.校外学習では外食をする機会もある.異年齢の子供が集い各々の関心に合わせた学習や体験を行うフリースクールは,積極的な食育の場にもなりうると考えた.本研究は,フリースクールの特長を活かした食育の在り方を探るものである.方法 小・中・高校生が在籍する一校のフリースクールを研究対象とした.子供同士が関わり合いながら食を学び,主体的に取り組む体験活動を実践し,成果と課題を整理した.結果 子供の食への関心は高く,特に調理実習には意欲を示した.そこで,月に1回を目安に調理実習の時間を設け,前月に事前学習を行った.協議により献立を決定したら,タブレット端末等を活用して食品や調理方法の調べ学習に取り組んだ.また,作物の栽培と収穫にも興味をもったことから,ミニトマトとキュウリを栽培し調理に使用した他,近隣農家での収穫体験を行った.子供の関心に寄り添った食の体験活動を繰り返し実践したことで,食べ物の大切さや調理を工夫し食事を味わう喜びを共に実感できた.また,友好的な関わり合いや協力する姿などを見ることもできた.一方で,教室内の調理設備や器具が十分でなかったため,調理や後片付けに時間を要したなどの課題も残された.次年度は地域との連携を深め,地域の産物や食文化の理解にも焦点を当て,より充実した食育に取り組みたい.