講演情報

[P-116]家庭科におけるICTを活用した授業実践の事例分析ICTを活用した授業の効果と課題

*永田 晴子1、有友 愛子2、植村 徹3、川村 めぐみ4、津田 京子5、野村 知世6 (1. 大妻女子大、2. お茶の水女子大附属中、3. 筑波大附属駒場中高、4. 岩手大、5. 東京都立大泉桜高、6. 東京都立拝島高)

キーワード:

家庭科、ICTの活用、効果と課題

目的 本研究は、小学校から高等学校までの家庭科の授業におけるICTを活用した授業実践の事例分析を通して、授業の効果と課題を把握し、家庭科教育への示唆を得ることを目的とする。
方法 2023年10月~2024年1月に、全国家庭科教育協会の会員および研究大会に参加した家庭科教員を対象として、Googleフォームを用いた自記式質問紙調査を行った。調査項目は、①実践授業の事例提供および②ICTを活用した授業の効果と課題である。
結果 分析対象とした小・中・高等学校の授業実践事例、計40事例について、ICTを活用した授業を分野別に整理を行った結果、40事例中26事例が学習指導要領の「B衣食住の生活」に係る事例であった。授業形態は、講義での活用が13事例、実習での活用が25事例、その他2事例であった。ICTを活用した授業の効果や課題に関する自由記述では、「授業の効率化」との回答が最も多く回答者の30%におよび、「板書時間を短縮でき実習時間や個別の指導時間を増やせる」との指摘があった。次いで「個別学習の支援・促進」が挙げられ、生徒が個々のタイミングで教材を視聴し課題解決が図りやすくなった等の指摘が挙げられた。一方、活用課題については、「機器などの技術的なトラブル」が最も多く、トラブル発生時の迅速な対応に関する困難を挙げた。また、授業実施上のリスクとして、授業と無関係な動画視聴など、授業規律の保持に関する困難さも挙げられた。