講演情報

[P-124]全国成人アンケート調査(2024)にみられるケアの自認と生活意識

*佐藤 真弓1、齋藤 美重子1 (1. 川村学園女子大学)

キーワード:

ケアに対する自認、生活意識、全国成人アンケート調査

目的:一般にケアに関わる課題は介護、育児など個別に議論されることが多いが、相手を心配し、気遣うといったケアは全ての人々の日常生活に存在する。本研究では、相手への気遣いを含むケアを受けているか、ケアしているかについての認識と生活との関連を数量的に検討した。
方法:2024年11月、リサーチ専門機関に依頼し、18歳以上3000人を対象にwebアンケート調査を実施した。「家族や身近な人の誰かから世話されたり、心配や気遣いなどのケアを受けているか」、「家族や身近な人の誰かを世話したり、心配や気遣いなどのケアをしているか」の自身の認識と、孤立、孤独意識、生活満足意識等との関連を検討した。調査は川村学園女子大学倫理委員会の承認を得て行った。
結果:ケアしているか、ケアされているかの有無をクロスさせ4分類すると、「ケアし、ケアされている」25.8%、「ケアし、ケアされてない」29.4%、「ケアしていない、ケアされている」3.1%となった。最も多かったのは「ケアしていない、ケアされていない」41.7%であるが、自分は人との付き合いがないものの、周囲から取り残されてはいないとし、孤独感は持っていないことから、他者とのケア関係を積極的に拒否している可能性が示された。またさらに、「ケアしている」55.2%は、「ケアしていない」44.8%よりも、人との付き合い、心身の健康、生活満足感、経済的ゆとりに対する意識が有意に高かった。