講演情報
[P-097]教科間からみる妊娠期・胎児期の学習における家庭科の特徴
*小泉 勇樹1、倉持 清美1 (1. 東京学芸大)
キーワード:
家庭科、妊娠、胎児、保健体育、教科書
【問題と目的】現代では、妊娠期からの切れ目ない支援を目指し、社会整備が進んでおり、社会全体で妊娠期・胎児期を支えようとする気運が高まっている。その中で、学校教育においてその現状に応え得るアプローチを検討することは喫緊の課題である。そこで本研究では、各教科で妊娠期・胎児期をどのように扱っているかの違いを明らかにし、教科の特徴に基づいた実践への示唆を得ることを目的とする。
【方法】現行の学習指導要領に基づき検定を受けている(令和4年検定済)、高等学校家庭基礎の教科書全10冊および保健体育の教科書全3冊を対象にテキストマイニングなどを使用し、質的な分析を行った。
【結果と考察】教科書における妊娠期・胎児期に関する内容のページ数は保健体育の方が多く、解剖学的・生理学的な内容から結婚における人間関係など多岐にわたっていた。頻出語の上位と教科書における学習の内容の流れを比較すると、家庭基礎では「胎児」の視点への着目に、保健体育では、妊娠する側である「妊婦やそのパートナーまたは妊娠を考える人々」の視点への着目に特徴があった。また、妊娠期・胎児期の取り扱いにおける軸として家庭基礎では「発達」、保健体育では「健康」があることが示唆された。以上のことを踏まえ、家庭科で妊娠期・胎児期を扱う際には、胎児期という生涯発達のスタートラインを学び、その後の発達へのつながりをもつことが重要な視点の1つとして考えられる。
【方法】現行の学習指導要領に基づき検定を受けている(令和4年検定済)、高等学校家庭基礎の教科書全10冊および保健体育の教科書全3冊を対象にテキストマイニングなどを使用し、質的な分析を行った。
【結果と考察】教科書における妊娠期・胎児期に関する内容のページ数は保健体育の方が多く、解剖学的・生理学的な内容から結婚における人間関係など多岐にわたっていた。頻出語の上位と教科書における学習の内容の流れを比較すると、家庭基礎では「胎児」の視点への着目に、保健体育では、妊娠する側である「妊婦やそのパートナーまたは妊娠を考える人々」の視点への着目に特徴があった。また、妊娠期・胎児期の取り扱いにおける軸として家庭基礎では「発達」、保健体育では「健康」があることが示唆された。以上のことを踏まえ、家庭科で妊娠期・胎児期を扱う際には、胎児期という生涯発達のスタートラインを学び、その後の発達へのつながりをもつことが重要な視点の1つとして考えられる。