講演情報

[P-099]就学前施設を媒介とした地域とのかかわりに関する保護者の意識

*伊藤 優1、會退 友美2、池谷 真梨子3、淀川 裕美4、林 薫5、酒井 治子2 (1. 広島大学、2. 東京家政学院大学、3. 和洋女子大学、4. 千葉大学、5. 白梅学園大学)

キーワード:

就学前施設、地域とのかかわり、保護者意識

[目的]本研究は、就学前施設が食を通して子どもや家庭と地域をつなげる方途を探る研究の一環として、子どもや家庭、就学前施設とその周辺地域とのかかわりに関する保護者の意識を把握することを目的とする。
[方法]Web調査会社に登録されたモニターのうち、保育所または認定こども園(以下、園)に通う子どもを有する保護者300人を対象に質問紙調査を行った。調査期間は2024年11月で、調査項目は子どもが通う園と地域とのつながりに関する意識、子育ての悩み等であった。回答者の性別は女性59.3%、男性40.7%であり、年齢平均は38.5歳±5.8歳であった。
[結果](1)保護者は子どもが「園周辺で開催される地域のお祭りやイベントに参加すること」で地域と繋がっていると考え、多くの保護者が地域のお祭りやイベントに参加し、地域の人と一緒に活動したいと思っていた。(2)保護者の約9割が「園の子ども達は園周辺の地域に親しみを持っている」と感じ、「地域の人と自分が交流を持つことは、子どもの成長に良い影響を与える」と考えていた。一方、子育てに不安を抱え、相談相手も家庭内にとどまることが多い現状も示された。(3)保護者の約4割は子どもが「園周辺の地域でとれる食材を食べ」、「郷土料理など地域独自の食べ物を食べている」と回答しており、園周辺に住んでいる保護者が多いが、保護者よりも子どもの方が園周辺地域の食を経験する機会が得られていた。