講演情報

[P-103]家庭科教材用裁縫用具における縫い針と針刺しの実態調査

*塚崎 舞1、水野 舞音1、藤本 明弘2、森田 みゆき1 (1. 東京学芸大学、2. 宮崎大学)

キーワード:

裁縫用具、縫い針、針刺し、家庭科、教材

1.目的 多様化する児童生徒の個性・手指の巧緻性に適した授業展開のために、家庭科教育で用いられる裁縫用具の多様性を把握する必要があると考えた。本研究では、家庭科教材として市販されている裁縫セットのうち、児童生徒にとってふれる機会がもっとも多い、縫い針と針刺しの特徴について調査した。
2.調査 教材メーカーA~Kの11社より、小学校家庭科の授業において基本的に必要となる裁縫用具一式を購入した。縫い針はノギスを用いて長さ、太さを測定するとともに、市販の一般用縫い針と比較した。
3.結果および考察 縫い針は長針、中針、短針、ししゅう針の4種が、各社共通で確認された。市販の一般用縫い針と同様のものであった。3社においてワンタッチ針も含まれていた。さらに、長さ約52mmの特大針が2社において確認された。また、一針の目の大きさの目安として針の先端が着色された縫い針が、特大針と同様の2社で確認できた。針刺しは、プラスチック枠に無地フェルトクッションのものが大半であったが、収納する針の種類を印字したものが3社で確認された。指先を使った細かい作業や、用具の収納に困難を抱える児童生徒の個性に合わせた工夫である一方で、手指の巧緻性等の観点から、適宜教員が針の種類について用途を示すこと、用具の点検についての指導を行うことが重要であると考える。