講演情報

[P-125]介護保険施設の業務継続計画(BCP)策定義務化下における食事提供マニュアルおよび災害対策に関する調査

*鈴野 弘子1、秋山 聡子1、池田 昌代1 (1. 東京農大)

キーワード:

災害、業務継続計画、介護保険施設、食事提供マニュアル

目的 日本では,災害対策として2024年度より全ての介護サービス事業者に対し,BCPの策定が義務づけられた.昨年,演者らは,災害時の食事提供マニュアルがない東京都の介護保険施設は33%であったことを報告した.そこで本研究では,神奈川県と千葉県の介護保険施設におけるBCPおよび食事提供マニュアルの整備状況とその内容,災害対策状況を調査した.
方法 2024年10月に質問紙とWebによる調査を,倫理承認を得て実施した.対象は都心南部直下地震が発生した場合の想定震度6強以上の地区のうち,神奈川県および千葉県HPに記載されている入居者20名以上の介護保険施設471件とした.質問項目は,BCPおよび食事提供マニュアルの内容,食事提供に関する災害対策状況の計80問,回答は選択式と記述式で得た(回収率15.1%).データ解析はSPSS Statistics 29を用いた.
結果 「災害時の食事提供マニュアルがある」施設は80.3%であり,このうち「更新していない」施設は40.4%であった.「BCPと食事提供マニュアルの整合性がない」施設は18.2%であった.全施設で「備蓄品・非常食を備え」ており,「3日分の備蓄」が最も多かった.また,「他機関・他施設と協力体制を結んでいる」施設は43.7%であった.BCPとマニュアルの整合性の有無を目的変数としたロジスティック回帰分析では,各質問項目との関連は認められなかった.