講演情報

[P-008]人生100年時代のライフプランを考える教材開発高校生を対象とした人生設計のためのアンケートを実施して

*両頭 早希1、松本 歩子1、延原 理恵1、片岡 愛2 (1. 京都教育大、2. 京都教育大附属高校)

キーワード:

家庭科教育、ライフプランニング教育、高等学校

【目的】高校家庭科教育では、人の一生について様々な生き方を理解するとともに、自らの生き方を見つめ、生涯を見通した生活を設計できるようにすることをねらいとしている。しかしながら、人生100年時代と言われる複雑な現代社会においては、多様なライフコースが存在しており、ライフプランに対する考え方も多様化している。よって本研究では、これからの時代における高校生へのライフプランニング教育のあり方を検討するため、高校生のライフプランに関する意識の実態を把握することを目的とする。【方法】家庭基礎を受講する高校生を対象にライフプランの意識や、将来への不安感等に関するWEBアンケートを実施した。有効回答数はA校141(男61、女78、他2)及びB校169(男87、女74、他8)。調査期間は2024年7月(A校)及び12月(B校)。【結果】仕事の継続や育児分担等、複数の項目でライフプランの意識に性別による差が見られた。また高校生は将来について多様な不安感を感じており、特に老後への不安感は、結婚するつもりがない者や、子どものぞまない者に高い傾向があった。今後の家庭科教育においては、性別役割分担意識を問い直すさらなる働きかけや、これまでの典型モデルとは異なるライフコースを選択する生徒へのフォローを行うことが期待される。さらに、アンケートの実施及び結果の共有がライフプランを考える教材として一定の効果があることも示唆された。