講演情報

[P-012]煮物における調味について親子間の比較

*有泉 みずほ1、樋口 誉誌子2、澤田 崇子1、瀬戸 美江3 (1. 関西福祉科学大、2. 千葉県立保健医療大、3. 共立女大)

キーワード:

煮物、調味の比較、親子間

目的
家庭において食塩摂取量を減らすための食環境整備が一層求められている.家庭内でつくられる料理の味が子に伝承されると考えられており,煮物調理における大学生の親子の調味料の使用量の違いとだしの素の使用状況の現状について調査,検討した.
方法
K女子大学(東京)の学生とその母親それぞれ11名に,4種類の煮物を調理してもらった.料理書を参考に,使用する材料とその分量,材料の切り方,処理方法を統一した.水分,だしの素,調味料は自由に使い,自分が美味しいと思う味付けにすることを条件にした.糖分・塩分濃度の算出は,調味料使用量から計算した.また, K女子大学(東京)とK大学(大阪)の学生191名と保護者143名を対象に,だしの素に関するアンケート調査を行った.
結果
4種類の煮物の糖分濃度は学生8.42±9.28%,母親7.14±4.97%,塩分濃度は学生2.07±2.42%,母親1.50±0.81%と,糖分・塩分濃度共に学生の方が高く,塩分濃度では有意差が認められた.また標準偏差も学生の方が大きく,母親に比べ味のばらつきが大きいこともわかった.調理に使用した水分量は学生の方が母親より有意に多かった.また,学生は塩とみりんの使用量が多いことから糖分・塩分濃度が高くなっていることがわかった.アンケート調査結果では,だしの素を使用する人が学生で約79%,保護者で約87%だった.