講演情報
[P-026]ムクナ豆の調理・発酵処理によるL-dopa含量および抗酸化活性の変化
*矢崎 遥1、郡山 貴子1 (1. 東洋大)
キーワード:
ムクナ豆、L-dopa、抗酸化活性、総フェノール量、調理・加工
【目的】ムクナ豆は多収であり、たんぱく質やミネラルを豊富に含み抗酸化活性も高いため、食品としての利用が期待される。しかし、L-dopaを高濃度に含み、食品利用に適切な調理工程の除去が必要である。本研究はムクナ豆の調理・加工によるL-dopaの消長と抗酸化活性の変化を評価し、最適な処理方法を検討した。
【方法】ムクナ豆を以下の条件で処理した。①生豆(皮付き・皮無し)、②焙煎(150、170、190、210℃・20 min)、③浸漬加熱(90℃・16 h)、④豆ペースト(③を加水・ホモジナイズ・脱水)、⑤甘酒(④に米麹・水を加え、0〜24 h発酵)。測定項目は水分含量、抗酸化活性、総フェノール量、L-dopa量とした。
【結果】浸漬加熱ではL-dopaと総フェノール量が生豆の約1/10に減少し、抗酸化活性は約1/16に低下した。ペースト化よりL-dopaは1/100以下まで低減し、甘酒はさらに減少した。甘酒は発酵時間の経過に伴い総フェノール量は増加したが、抗酸化活性は明瞭な変化はみられなかった。一方、焙煎処理は190℃以上でL-dopaが大幅に低下したが、抗酸化活性は焙煎温度によらず高く維持された。これらのことからL-dopaの低減は浸漬加熱が最も有効だが、抗酸化活性の大幅な低下が課題だ。一方、焙煎は抗酸化活性を維持しやすく、食品利用に適すると考えられる。
【方法】ムクナ豆を以下の条件で処理した。①生豆(皮付き・皮無し)、②焙煎(150、170、190、210℃・20 min)、③浸漬加熱(90℃・16 h)、④豆ペースト(③を加水・ホモジナイズ・脱水)、⑤甘酒(④に米麹・水を加え、0〜24 h発酵)。測定項目は水分含量、抗酸化活性、総フェノール量、L-dopa量とした。
【結果】浸漬加熱ではL-dopaと総フェノール量が生豆の約1/10に減少し、抗酸化活性は約1/16に低下した。ペースト化よりL-dopaは1/100以下まで低減し、甘酒はさらに減少した。甘酒は発酵時間の経過に伴い総フェノール量は増加したが、抗酸化活性は明瞭な変化はみられなかった。一方、焙煎処理は190℃以上でL-dopaが大幅に低下したが、抗酸化活性は焙煎温度によらず高く維持された。これらのことからL-dopaの低減は浸漬加熱が最も有効だが、抗酸化活性の大幅な低下が課題だ。一方、焙煎は抗酸化活性を維持しやすく、食品利用に適すると考えられる。