講演情報
[P-028]食品ロス対策に貢献する食用キノコ廃棄部分の有効活用に関する研究
*小林 結子1、矢口 朋恵1、山下 郁美1、新田 陽子1 (1. お茶の水女大)
キーワード:
シイタケ、ゲル、多糖類、βグルカン、レオロジー
目的 キノコでは柄や石づきなどの廃棄部分が発生し、その有効利用が求められている。研究室ではシイタケ食用部位より抽出した多糖類が、透明度が高い熱可逆性のゲルを形成することを見出した。これと同様の性質を持つゲル化剤の種類は限られている一方、ゲル化剤の使用は多様化しており、シイタケの廃棄部位をゲル化剤として活用できれば非常に有用なものとなる。そこで本研究では、シイタケ廃棄部位より抽出した多糖類の構造とそのゲル化特性を明らかにすることを目的とした。
方法 研究室で開発した、ゲル化成分抽出に特化した高圧熱水処理法により、シイタケの柄と石づきから多糖類を抽出した。抽出物に対してNMRとサイズ排除クロマトクラフィ―(GPC)により化学構造と分子量を推定した。またゲルを作製し、一軸圧縮試験による破断特性評価と、動的粘弾性測定によるゲル形成・ゲル融解時の動的剛性率の変化を調べた。
結果 NMRより、抽出した多糖類はレンチナンであり、GPCより分子量が約37万であると推定された。冷却すると5℃付近でゲル化し、4℃での一軸圧縮試験より、応力歪曲線は破断点を示し、破断特性が明らかになった。動的粘弾性測定の結果から、ゲル化温度は約5℃、ゲル融解温度は約8℃であると考えられた。1.0%(w/w)の低濃度でも十分にゲル形成能を持ち、ゲルは熱可逆性で透明度が高いことから、デザートゼリーなどへの活用に適していると考えられた。
方法 研究室で開発した、ゲル化成分抽出に特化した高圧熱水処理法により、シイタケの柄と石づきから多糖類を抽出した。抽出物に対してNMRとサイズ排除クロマトクラフィ―(GPC)により化学構造と分子量を推定した。またゲルを作製し、一軸圧縮試験による破断特性評価と、動的粘弾性測定によるゲル形成・ゲル融解時の動的剛性率の変化を調べた。
結果 NMRより、抽出した多糖類はレンチナンであり、GPCより分子量が約37万であると推定された。冷却すると5℃付近でゲル化し、4℃での一軸圧縮試験より、応力歪曲線は破断点を示し、破断特性が明らかになった。動的粘弾性測定の結果から、ゲル化温度は約5℃、ゲル融解温度は約8℃であると考えられた。1.0%(w/w)の低濃度でも十分にゲル形成能を持ち、ゲルは熱可逆性で透明度が高いことから、デザートゼリーなどへの活用に適していると考えられた。