講演情報

[P-034]ランダムセントロイド最適化法を用いた果物不使用ジャム(なすジャム)の材料配合割合の探索

*岩田 恵美子1、後藤 昌弘2、西村 公雄3 (1. 畿央大学、2. 神戸女大、3. 同志社女大)

キーワード:

ランダムセントロイド最適化法、果物不使用ジャム、ナス

【目的】ランダムセントロイド最適化(RCO)法は,相互に影響をおよぼし合う因子を組み合わせた際の最適値を,同時にかつ最小実験回数で求められるプログラムである.このRCO法を用いて,ナスに砂糖とクエン酸を加えて果物アレルギーの人でも食べられる,果物不使用ジャムを作る最適条件を検討した.
【方法】ナス(千両ナス)は県内の青果商より購入し,皮を除き角切りにして用いた.官能評価(評点法)では色,甘味,酸味の好ましさ,総合評価を調べた.RCO法の因子は,砂糖と6.3%クエン酸水の添加量とした.砂糖50~110g,クエン酸水5~20gを範囲としてプログラムに入力し,示された組合せでジャムを作り官能評価を行った.総合評価を入力して,再度得られた追加の組合せを基に同様の実験を行い,結果を入力したところ最適添加量が示された.また,糖度と酸度,色調を測定し,砂糖とクエン酸水の添加量,官能評価の結果とともに相関関係を調べた.
【結果】RCO法での解析の結果,砂糖108.8g,クエン酸水16.7gが最適添加量と示された.総合評価は,砂糖の添加量と色や甘味の好ましさの間に強い正の相関が,明度と糖度の間には強い負の相関があった.総合評価と明度の間にも負の相関があったため,砂糖の添加量が多く,色の濃いジャムが好まれることが判明した.