講演情報
[P-036]長野県中信地方の仏事の和菓子「のりまん」の現状と課題
*中澤 弥子1、平田 朱音2 (1. 長野県立大、2. 東北大)
キーワード:
和菓子、のりまん、仏事、長野県、海苔、饅頭
目的 「のりまん」は、複数個の饅頭を海苔で太巻きにした長野県中信地域に伝わる和菓子で、仏事に使われているが、その詳細な研究報告はなく実態は不明である。そこで本研究では、文献調査や電話調査、フィールドワークを通して、「のりまん」の特徴や現状を明らかにし、その伝承の課題について明らかにすることを目的とした。
方法 文献調査は、『長野県史 民俗編』をはじめ長野県の食文化に関する文献資料や和菓子に関する文献資料を対象として行った。大町市から塩尻市にわたる和菓子店および斎場を対象として「のりまん」の取り扱い状況について電話調査を行った。「のりまん」を製造している和菓子店と利用している寺を対象として聞き取り調査を行った。
結果 『長野県史』には中信地方の新橋(松本市)、中村(松本市入山辺)、川西(松本市神林)、小坂(山形村)、下波田(松本市波田)、西洗馬(朝日村)の6地点に不祝儀のときの献立として「ノリマン」「ノリマンジュー」「ノリマキマンジュー」の記載があった。過去には作っていた和菓子店の数は17店舗、現在も作っている店舗数は9店舗であった。JA関係の斎場グループでは、過去には出されていた斎場は4会場、現在も出されている斎場は3会場であった。Hグループでは大町市から塩尻市の12会場全てで通夜の料理に提供されていた。葬儀や法事の簡略化による「のりまん」の需要低下や少量注文を受けにくいことが伝承の課題と考えられた。
方法 文献調査は、『長野県史 民俗編』をはじめ長野県の食文化に関する文献資料や和菓子に関する文献資料を対象として行った。大町市から塩尻市にわたる和菓子店および斎場を対象として「のりまん」の取り扱い状況について電話調査を行った。「のりまん」を製造している和菓子店と利用している寺を対象として聞き取り調査を行った。
結果 『長野県史』には中信地方の新橋(松本市)、中村(松本市入山辺)、川西(松本市神林)、小坂(山形村)、下波田(松本市波田)、西洗馬(朝日村)の6地点に不祝儀のときの献立として「ノリマン」「ノリマンジュー」「ノリマキマンジュー」の記載があった。過去には作っていた和菓子店の数は17店舗、現在も作っている店舗数は9店舗であった。JA関係の斎場グループでは、過去には出されていた斎場は4会場、現在も出されている斎場は3会場であった。Hグループでは大町市から塩尻市の12会場全てで通夜の料理に提供されていた。葬儀や法事の簡略化による「のりまん」の需要低下や少量注文を受けにくいことが伝承の課題と考えられた。