講演情報
[P-044]市販ベビーフードと保育所離乳食の食塩含量の比較
*佐藤 瑶子1、鈴木 まい1、島本 和恵2 (1. お茶の水女子大学、2. 昭和学院短期大学)
キーワード:
保育所、市販ベビーフード、食塩含量
【目的】離乳食を手作りすることを負担に感じる保護者は多く、市販ベビーフード(以下市販BF)が活用されている。また「授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省)」での離乳食の調味に関する記載は定性的であり、具体的な調味方法の指導は支援者に委ねられている。そこで乳児の保護者やその支援者への有用な情報提供を目的に、市販BFと保育所離乳食の食塩含量を分析し比較した。【方法】離乳の段階(初期、中期、後期、完了期)に応じ、市販BF(計111料理)と東京都および千葉県内の保育所で提供された離乳食(計120料理)を収集し、ナトリウム含量を測定(原子吸光法)し、食塩相当量に換算した。料理は「白粥」、炭水化物源を主材料とし調味されている「主食(調味)」と「おかず等」に分類した。市販BFの原材料表示および保育所の献立表から、各料理に使用されている調味料の種類を集計した。【結果】主食(調味)の提供・販売は離乳中期以降で認められ、市販BFと保育所離乳食の食塩濃度に有意差は認められなかった。おかずの食塩濃度は完了期を除き、市販BFおよび保育所離乳食で同程度であり、離乳の段階ごとに約0.1%ずつ高くなった。市販BFでは調味料の添加は離乳初期から、香辛料等は後期から添加されており、保育所離乳食は中期以降で調味料が、完了期以降で香辛料の添加が確認された。市販BFと保育所離乳食は塩味の濃さよりも、調味料の種類に違いがあると考えられた。