講演情報

[P-052]食教育における塩分濃度計を利用した食品中調味料の分析

*佐藤 佳央美1、谷本 憂太郎1 (1. 弘前大)

キーワード:

調味料、塩分濃度計、食教育

目的 調味操作や煮物調理では、食塩、醤油といった調味料の食品への浸透が重要となる。一般的に各調味料成分の化学的性質に最も適合するそれぞれの手法により分析を行う。食教育の分野では、試薬や専門的分析機器を利用した調味料の分析が困難であることもあり、より小スケールでの実験が求められる場合がある。電気伝導度式の塩分濃度計は、標準物質以外の試薬の利用が少なく、小型の装置も多いことから、小スケールでの実験に向いていると考えた。そこで、食教育での実施が可能な食塩、醤油の植物性食品への浸透性評価に関する簡易的な方法を検討し、分析法の妥当性の検証を行った。
方法 植物性食品としては、大根を選択した。大根を所定の大きさ、形に切り、各濃度のNaCl溶液、食塩水、醤油中で加熱後、ペースト状にした大根と脱イオン蒸留水を遠沈管に入れ、30分間成分を抽出した。その後濾過し、濾液を塩分濃度計(PAL-SALT、株式会社アタゴ)、コンパクトナトリウムイオンメーター(Na-11、株式会社堀場アドバンスドテクノ)で測定した。
結果 大根に浸透したNaCl、食塩、醤油の濃度を塩分濃度計で分析したところ、ナトリウムイオンメーターで測定した結果と同程度の値を示し、妥当性を確認できた。また、食教育での利用を想定して、大根への醤油の見た目の浸透度合いと簡易分析による塩分濃度の関係を調べたところ、両者はよく対応していることがわかった。