講演情報
[P-054]伝統織物の透湿性-看護・介護現場への活用を目的として-
*川崎 久子1、前原 弥生2、小泉 好司2、柿原 文子3、野村 陽子2 (1. 新潟薬大、2. 沖縄科学技術大学院大、3. 日本女大)
キーワード:
伝統織物、芭蕉布、苧麻布、シーツ、透湿性
目的 本研究では、古来より発達、長く使われてきた日本の伝統織物の、看護・介護現場への活用の可能性を探索する。看護・介護では寝床内環境は特に重要であり、快適な寝床内環境や衣服内環境の要因の一つには湿度調節が挙げられる。そこで、蒸暑地域である沖縄で琉球時代より衣類に使われてきた芭蕉布(バナナ布)や八重山上布(苧麻布)と、看護現場で使用されるシーツの透湿性の比較を目的とした。
方法 試験布(10㎝×10㎝、各3枚)としてシーツ2種類(綿100%、綿70%ポリエステル30%)、芭蕉布2種類、八重山上布1種類を用いた。洗浄後、室内にて乾燥済みの試験布を標準環境(20℃、65%RH)に24時間さらした。その試験布を上から2㎝まで純水を入れた秤量瓶(高さ6㎝×外径6㎝、内径5.5㎝)に被せ、輪ゴムで固定した。この秤量瓶を標準環境に24時間放置、その質量変化から蒸発量を測定、試験布なしの蒸発量に対する割合から透湿率(%)を算出した。
結果 伝統織物ではばらつきが大きいものの、平均透湿率はいずれも20%以上となり、シーツ類(13-15%)を上回った。織り密度や厚さがシーツ(綿100%)に近い芭蕉布の平均透湿率は、シーツより10%程度高かった。大きなばらつきは、伝統織物には手績みの糸が使われ(芭蕉布)、手織り(芭蕉布、八重山上布)であったためと推測される。今後、低温高湿環境で発達した小千谷縮などと比較する予定である。
方法 試験布(10㎝×10㎝、各3枚)としてシーツ2種類(綿100%、綿70%ポリエステル30%)、芭蕉布2種類、八重山上布1種類を用いた。洗浄後、室内にて乾燥済みの試験布を標準環境(20℃、65%RH)に24時間さらした。その試験布を上から2㎝まで純水を入れた秤量瓶(高さ6㎝×外径6㎝、内径5.5㎝)に被せ、輪ゴムで固定した。この秤量瓶を標準環境に24時間放置、その質量変化から蒸発量を測定、試験布なしの蒸発量に対する割合から透湿率(%)を算出した。
結果 伝統織物ではばらつきが大きいものの、平均透湿率はいずれも20%以上となり、シーツ類(13-15%)を上回った。織り密度や厚さがシーツ(綿100%)に近い芭蕉布の平均透湿率は、シーツより10%程度高かった。大きなばらつきは、伝統織物には手績みの糸が使われ(芭蕉布)、手織り(芭蕉布、八重山上布)であったためと推測される。今後、低温高湿環境で発達した小千谷縮などと比較する予定である。