講演情報

[P-066]真夏に適した幼児用下着素材の検討

*藤本 和賀代1 (1. 徳島文理大短)

キーワード:

幼児用下着、衣服内気候、熱中症対策

目的 近年、地球温暖化が急速に進み、夏には連日猛暑日が続き熱中症患者が増加している。特に幼児は大人に比べ体温調節機能が未発達で体に熱がこもりやすい。そこで今回は、衣服の面から多少なりとも幼児の熱中症対策に役立てられないかと考え子供の下着素材について検討を行った。更に幼児の母親が何を基に下着を選んでいるのかアンケート調査を行った。
方法 幼児2名(2歳、5歳)を対象に同素材、同デザインの夏物衣服を着用してもらい、衣服内に超小型IoTデバイスを設置して衣服内の温度・湿度を計測した。室内環境は暑さ指数(WBGT)25「注意」と28「厳重警戒」に設定した2部屋を使用した。具体的には、まず被検者2名に両部屋で普段通り過ごしてもらい体温の上がり方、汗のかき方を調査した。次に、タイプの異なる4種の下着を着用してもらい衣服内気候の比較実験を行った。
結果 幼児2名の比較実験では2歳児の方が暑い部屋に入ってから汗をかくまでに時間が掛かり、低年齢児ほど熱がこもりやすく熱中症等に対する注意が必要であることが分かった。また、4種類の下着素材を検討した結果、新機能素材が一番優れていることが分かった。しかし、生地が薄く柔らかいため洗濯に弱いなどの欠点もあった。そのためか、母親へのアンケートでは涼しさも洗濯強度も適度に備わる一般的メッシュ素材が最も高評価だった。下着選びには品質、耐久性、価格などのバランスが重要であることが分かった。