講演情報

[P-070]異なるぬいぐるみ素材への接触が生理心理反応に及ぼす影響

*ZHANG Keyu1、松井 有子1、佐藤 真理子1 (1. 文化学園大)

キーワード:

ぬいぐるみ、生理反応、心理反応、唾液アミラーゼ、状態不安尺度

目的現代社会におけるストレスや不安の増加に伴い、ぬいぐるみのもたらす癒し効果に注目が集まっている。本研究では、異なるぬいぐるみ素材への接触が生理心理反応に与える影響を明らかにすることを目的とした。
方法 異なる3種のぬいぐるみ素材(試料1:ポリウレタン、試料2:短毛アクリル、試料3:長毛アクリル)を用い、直径10cmの球体試料を製作した。被験者は健康な成人女性6名(31.7±10.1歳)とし、椅座位開眼で各試料を一定時間自由に触れさせた。試料接触前後に生理・心理指標を測定し、その後官能評価を実施した。生理的指標として唾液アミラーゼ活性(交感神経状態の目安とされ、ストレス度と対応づけられる)、心理的指標としてSTAI(状態不安尺度)及び官能評価(10項目7段階尺度)を測定した。
結果唾液アミラーゼ活性及びSTAIスコアの接触前後差は試料2で最も大きく、ストレスと不安の軽減効果が示唆された。官能評価では、「ふわふわ感」「ふさふさ感」で、試料3が有意に高い値を示したが、「癒される」「好き」「総合的に快」の評価は試料2で最も高かった。試料2への接触がストレス軽減及び心理的安心感に寄与する可能性が示唆され、生理的指標、心理的指標の双方で同様の傾向が得たが、今後は試料の種類を増やすと共に、触り方に検討を要する。