講演情報
[P-074]京都女子大学卒業アルバムにみる女子大生の晴れ着の着装動向
*青木 美保子1 (1. 京都女大)
キーワード:
晴れ着、女子大学生、卒業アルバム
目的 女子大学で服装に関心の高い学生が集まる学科の卒業アルバムにおいて、和服を主に儀式で着用する世代の和服着装の動向の変化を見ることは、近年、若者の着物離れが加速するなかで、ここに至るまでの要因を探る手段となるのではないか。この視座から、筆者の所属する京都女子大学家政学部の被服学科を前身とする生活造形学科のアルバムを収集し、その変化を分析することとした。
方法 借用できた京都女子大学被服学科(生活造形学科)および同短期大学部被服専攻(生活造形専攻)卒業アルバムにおいて卒業式と謝恩会集合写真が掲載されている1982年から2019年のアルバム41冊を資料とした。その卒業式と謝恩会の集合写真それぞれに、女学生の服装を、振袖姿、袴姿、洋装に分類しその割合の変化を分析した。
結果 卒業式の服装は、全員がスーツを着装していた時期から、徐々にスーツ姿の間に袴姿や振袖の和装姿が混ざる時期を経て、ほぼ全員が袴姿となっていく変化を読み取ることができた。一方、謝恩会の服装は、この状況に反比例するように振袖姿が減少し洋装が増えていく変化を読み取ることができた。また、卒業生へのヒヤリングから、「振袖は成人式で楽しんだので、袴を着て見たかった」との意見が得られた。近年の「卒業式は袴で、謝恩会はワンピース」のスタイルが定着し、卒業式に「袴なしの振袖姿」が見られない背景に、振袖も袴も「一度は着てみたい和服」という考えがあることが分かった。
方法 借用できた京都女子大学被服学科(生活造形学科)および同短期大学部被服専攻(生活造形専攻)卒業アルバムにおいて卒業式と謝恩会集合写真が掲載されている1982年から2019年のアルバム41冊を資料とした。その卒業式と謝恩会の集合写真それぞれに、女学生の服装を、振袖姿、袴姿、洋装に分類しその割合の変化を分析した。
結果 卒業式の服装は、全員がスーツを着装していた時期から、徐々にスーツ姿の間に袴姿や振袖の和装姿が混ざる時期を経て、ほぼ全員が袴姿となっていく変化を読み取ることができた。一方、謝恩会の服装は、この状況に反比例するように振袖姿が減少し洋装が増えていく変化を読み取ることができた。また、卒業生へのヒヤリングから、「振袖は成人式で楽しんだので、袴を着て見たかった」との意見が得られた。近年の「卒業式は袴で、謝恩会はワンピース」のスタイルが定着し、卒業式に「袴なしの振袖姿」が見られない背景に、振袖も袴も「一度は着てみたい和服」という考えがあることが分かった。