講演情報

[P-082]ジオン理論に基づく高視認性素材を用いた衣服設計視線・眼球運動による視認性評価

*小野寺 美和1、谷 明日香2、竹本 由美子3 (1. 甲南女大、2. 大阪樟蔭女大、3. 武庫川女大)

キーワード:

高視認、蓄光材、視知覚、視線計測、ジオン理論

【目的】ジオン理論に基づくデザインが高視認性安全服の視認性向上に与える影響を検討すること。本研究では、具体的なデザイン手法として、(1)胸部や背中への円形・三角形の蓄光材配置、(2)腕や脚への帯状蓄光素材の使用による直方体・円柱ジオンの強調、(3)明るい色と暗い色を組み合わせたコントラストの強い配色で形状の輪郭を鮮明化、(4)安全標識などのシンボル・アイコンの活用による視覚情報の強化、を提案し、その有効性を明らかにすることを目的とする。
【方法】30名の被験者を対象に、蓄光材(布)を用いた高視認性安全服の視線計測実験を実施した。被験者には、稼働関節マネキンの身体部位に蓄光布を設置した30種類の画像用いて、各画像の各身体部位への視線の到達順序を記録した。なお、各画像の提示時間は3秒とし視認の動きを集計した。
【結果】胸部からウエストにかけての部位が最初に視認されやすく、最大で8名がこの部位を最初に視認した。これはジオン効果を活用した蓄光材の配置が視覚的注意を効果的に誘導した結果である。また、ウエストからヒップ、大腿部も視認回数が高く、頭部や下腿から足首にかけての部位は低かった。これらの結果から、ジオン理論に基づく蓄光材を用いたデザイン手法が、高視認性安全服の視認性向上に有効であることが示唆された。