講演情報

[3B-02]脱脂米ぬかを活用した米粉パンの膨化性向上の検討

*玉木 歩乃羽1、田村 朝子1、山岸 あづみ1 (1. 新潟県立大)

キーワード:

米粉、米ぬか、膨化性

目的 米ぬかは、豊富な機能性成分が含有され米油製造等に活用されている。市販されている米油の多くは溶媒抽出法で製造されているため、安全性が懸念される。一方、圧搾法では、収量は劣るものの高温高圧環境で搾油されるため、安全性の高い米油が製造される。圧搾法で搾油された後の米ぬかは脱脂米ぬかと呼ばれ、多くの栄養成分や機能性成分が残存されながら食用としての活用は見出されていない。本研究では、この脱脂米ぬかを活用し機能性および膨化性の高いグルテンフリー米粉パンを作ることを目的とした。
方法 まず、生米ぬか、脱脂米ぬか、米油の成分を分析した。次に、脱脂米ぬかを米粉の0、10、15、20、25、30%の割合で置換した米粉パンを調製した。ぬかの割合が約10%の玄米粉パンよりも機能性が高くなるよう15%以上の添加を目指し、膨化性、嗜好性を加味して配合割合を決定した。さらに膨化性を高めるためサイリウム、グルコマンナン、α化米粉の添加を検討した。これらの試料を、生地は動的粘弾性、発酵特性を、焼成後のパンは比容積、テクスチャー、断面観察、色差測定で比較評価した。
結果 脱脂米ぬか置換割合が増加するほど米粉パンの比容積は低下する傾向にあり、硬さは、脱脂米ぬか0%が最も柔らかく、30%で最も硬くなった。20%に、サイリウム0.1%、グルコマンナン0.5%または1.0%をそれぞれ添加すると0%に比べ比容積が大きくなった。