講演情報

[3B-03]4つのだしと茶碗蒸しの色および味の関係

*徳永 美希1、戸村 百花1、稲田 文1、髙橋 徹2 (1. 福岡教育大、2. 日本薬科大)

キーワード:

だし、茶碗蒸し、色

目的 茶碗蒸しには、かつお一番だしの使用が一般的とされている。本研究では、茶碗蒸しに用いるだしの特徴を明らかにすることを目的として、だしの種類を変えたときの茶碗蒸しの色および嗜好性について評価した。
方法 使用するだしは、3%昆布だし、3%かつお一番だし、3%煮干しだし、3%椎茸だし、水(対照)の5つとした。卵濃度が25%、塩分濃度0.6%になるように卵液を調整した。茶碗蒸しについて色差計を用いて色相を測定した。官能評価によって味などを評価し、一元配置分散分析と多重比較を行った。色差計の測定値と官能評価の項目を説明変数として決定木による分析を行った。
結果 かつおだし使用の茶碗蒸のおいしさは対照よりも高く評価された(p<0.05)。回帰木の結果、茶碗蒸しのおいしさに影響を与える要因は、1番がうま味で、2番が舌触りであった。うま味に影響を与える要因としては、1番が口触りで、2番が塩味の感じ方であった(回帰木)。茶碗蒸しの見た目の特徴はだしの種類が挙げられ、見た目が良いと判断されたのはかつおだし使用と昆布だし使用であった(回帰木)。茶碗蒸しのだしごとの特徴は赤方向の色と明るさと彩度で説明できることが明らかとなり、茶碗蒸しの味はダシの影響が大きくないことも明らかになった(分類木)。このことから、だしが茶碗蒸しのおいしさに影響を与えるが、4つのだしの特徴は茶碗蒸しの色で説明できることが明らかになった。