講演情報

[3H-04]フード・シティズンシップの日豪合同授業

*小野瀬 裕子1,2、小林 陽子1、井元 りえ1 (1. 女子栄養大、2. 鳴門教育大)

キーワード:

フード・シティズンシップ、人権、家庭科教育、ESD、合同授業

目的 本研究は,すべての人々の人権を実現して,持続可能な社会を創造し,国連のSDGsに貢献する人材を育てるために,家庭科にフード・シティズンシップの学習を導入することを目的とした。5時間のフード・シティズンシップの日豪合同授業を日本とオーストラリアの中高一貫校で実施し,教育内容,教育方法,教育効果を検証した。
方法 フード・シティズンシップの学習指導案を作成し,授業スライドと教材を作成した。授業前と授業後のチェックシート,各授業のふりかえりワークシート等を生徒に実施し,その分析結果から教育内容,教育方法,教育効果を検証した。
結果 フード・シティズンシップとは,安全で栄養学的に適切な食品の選択により,自然と共生して生命・健康と自由を確保し,また,他者・コミュニティ・社会と連帯して平等と公正を確保できることを理解して行動することで,生産から消費に至る持続可能なフードシステムを形成する個人の権利と責任である。学習指導案の5時間は,フード・シティズンシップの概念の要素を理解するカードゲームによる学習,選択した1つのトピックの3分スピーチの作成,その発表,日豪代表8グループの発表の視聴と討論,再度カードゲームをして今後の行動を考える授業内容である。生徒のワークシート等の分析結果から,グローバル及びローカルに食生活における自らの権利と責任を考えており,フード・シティズンシップの学習効果が明らかとなった。