基調講演
天然知能:外部に開かれた「普遍的不在」をデザインする
講演者

郡司ぺギオ幸夫
Yukio Pegio Gunji
早稲田大学 教授
6月12日(金) 15:30 〜 16:45
2号館3F 大教室
2号館3F 大教室
講演概要
事物は環境内に存在し、外部が存在する。外部とは、環境変化であり、予想外の使用者の使い方である。このような外部はノイズではなく、事物は絶えずこれらを取り込みながら、環境内を生きていく。では、いかにして外部に開かれた事物を構成できるだろうか。ここでは、「天然知能」と呼ばれる、外部に開かれた普遍的不在を作り出す、というデザインを提案する。それは、矛盾を構成しながら同時にこれを脱色するという方法である。不在とは、特定の何かの欠如を意味するが、誰でも、なんでもが、「ここは自分がいるべき場所ではないのか?」と思うものが、普遍的不在である。以上をさまざまに例示しながら、どのような意義を持つか、論じたい。
講演者略歴
1959年 茨城県水戸市生まれ
1982年 東北大学理学部地学科卒
1987年 日本学術振興会特別研究員・東北大学大学院博士後期課程修了(理学博士)・神戸大学理学部地球科学科助手
1999年 神戸大学理学部地球惑星科学科教授
2014年〜現在 早稲田大学基幹理工学部表現工学科教授・神戸大学名誉教授
単著
- 生成する生命:生命理論 I. 哲学書房(2002).
- 私の意識とは何か:生命理論 II、生成という存在態. 哲学書房(2003).
- 原生計算または存在論的観測.東京大学出版会(2004).
- 生命理論.哲学書房.東京(2006).
- 生きていることの科学.講談社現代新書(2006).
- 時間の正体:デジャブ・因果論・量子論.講談社メチエ(2008).
- 生命壱号、おそろしく単純な生命のモデル.青土社(2010).
- 群れは意識を持つ.PHPサイエンスワールド新書(2013).
- いきものとなまものの哲学.青土社(2014).
- 生命、微動だにせず.青土社(2018).
- 天然知能.講談社メチエ(2019).
- やってくる.医学書院(2020).
- かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか.青土社(2022).
- 創造性はどこからやってくるか:天然表現の世界. ちくま新書(2023).
共著
-
中村恭子・郡司ペギオ幸夫(2018)TANKURI:創造性を撃つ.水声社.
-
浦上大輔, 郡司ペギオ幸夫(2021).セルオートマトンによる知能シミュレーション:天然知能を実装する. オーム社.
最近の論集
-
アナロジーの位相:利口なハンスの知性はどこにあるか, “科学と文化をつなぐ、アナロジーという思考様式(春日直樹編,東京大学出版会)”pp.307-328(2016).
- 知覚と記憶の接続・脱接続:デジャビュ・逆ベイズ推論.書肆心水,東京 pp311-331.
- 外部を召喚する過程・装置としての情動、その形式的理解『アフェクトゥス, 生の外側に触れる(西井凉子・箭内匡編)京都大学学術出版会, pp. 377-404(2020).
- シャルル・フーリエの情念を天然知能的計算に転回する. 『シャルル・フーリエの新世界』福島知己編, 水声社, p.353-390(2024).
