オーガナイズドセッション
6月13日(土)15:30-17:30
【os_A】
教育機関が担うデザインのコンパス(開催校企画)
オーガナイザー
柴田吉隆(千葉工業大学 創造工学部)
パネリスト
伊藤 穰一(千葉工業大学 School of Design & Science)
井登 友一(立命館大学 デザイン・アート学部)
その他調整中
気候危機や人口減少、経済構造の変化、デジタル技術の進展による価値観の転換など、社会の基盤が揺らぐ現代において、デザインは社会構想の実践知として改めて注目を集めている。本大会のテーマ「デザインのコンパス」は、広がるデザインへの期待を前に、地図が提示されることを待つのではなく、不確実な状況の中で主体的に方向を定める姿勢を示している。そのような中で、2026年度から複数の大学で「デザイン」を冠した新しい学部や大学院が開設される。本セッションでは、デザインの領域を探索的に広げようとするこれらの教育機関の取り組みを手がかりに、デザイン教育の現状認識と将来ビジョンを多角的に検討する。デザインを学ぶ大学は何を更新すべきか。専門性と越境性をいかに両立させるのか。どのような能力や態度を備えた人材を育成し、その活躍のフィールドを社会へと接続していくのか。理論と実践、研究と社会実装の往還を踏まえながら、教育を基点にデザインの現在地とこれからの方向性を探る。
【os_B】
生成AIを用いた超高齢社会の共創デザイン:住民自身が地域課題の設計者へ
オーガナイザー
三冨敬太 (山形大学 社会共創デジタル学環 准教授)
パネリスト
草野 孔希(株式会社メルカリ R4D)
坂口 和敏(山口大学 国際総合科学部 准教授(兼任)大学院人間社会科学研究科 准教授)
山口 枝里子(社会福祉法人上山市社会福祉協議会 上山市地域包括支援センター 生活支援コーディネーター)
その他調整中
本セッションは、超高齢社会のフロントランナーである日本が直面する、地域課題解決のデザインモデルを議論します。国内の地方では、高齢化の進行と生産年齢人口の減少が同時に進んでおり、行政サービスのみで地域の生活インフラを維持することが限界を迎えつつあります 。このような状況下で、行政依存ではない、住民自身が課題解決に取り組む仕組みの構築が急務です 。特に、地域課題の当事者かつ人数が増加していく高齢者自身が主体となり、課題解決に取り組む仕組みづくりが、地域の生活インフラを支える鍵になります。
本セッションでディスカッションするのは、高齢者を「支援される側」から、デジタルを用いて周囲を巻き込んでいく「地域課題の設計者(デザイナー)」へと転換する方法です。具体的な例としては、高齢者自身が生成AIをチャットベースで活用し、自身の生活課題に基づくアイデアを具体物として可視化、それを媒介として周囲の住民を巻き込む共創デザインなどです。
このような現状を踏まえて民間・アカデミアからの有識者を招き、地域が抱える問題にデジタル技術を活用して地域課題の設計者とする方法を議論します。また、オーガナイザーは課題の最先端地域である山形大学において、社会共創デジタル学環という地域課題を共創を通じて解決することを目的とした組織に在籍しているため、最新の課題状況などのシェアも行っていきます。
【os_C】
デザインと人類学のあわい
オーガナイザー
松薗 美帆(北陸先端科学技術大学院大学 博士後期課程/デザイナー)
パネリスト
横溝 賢(札幌市立大学 デザイン学部 准教授/デザイナー)
早川 公(東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授/人類学者)
上平 崇仁 (立命館大学 デザイン・アート学部 教授/デザイナー)
池原 優斗(北海道大学 博士後期課程/人類学者)
近年、デザインと人類学はより接近している。本セッションは、デザインから人類学へ、人類学からデザインへと、互いの領域が解け合う「あわい」に着目し、デザイナーと人類学者が互いに応答しながら、その実態と可能性をわかろうとする試みである。
人類学者のティム・インゴルドは、単にデザインを人類学の研究対象として位置づけるにとどまらず、誰かとともに研究し、人々の欲求や不満に寄り添いながら応答し、ともに前進するような「デザインによる人類学」を提唱する。対して、デザインの視座に立てば、人類学とともに前進するような「人類学によるデザイン」も考えうるだろう。
本セッションでは、目的を固定化せず営みをつくり続ける「ランブリングデザイン(横溝)」と、人類学的な知見を社会実装・教材開発へと接続する「野性のコーディネーターのドメスティケーション(早川)」の実践を提示する。さらに、両領域を往還しながら研究・実践をしている上平、池原、松薗が橋渡しとなり、デザイナーの実践を人類学者が、人類学者の実践をデザイナーが相互に解釈し、その「あわい」について対話を重ねる。デザインとは何で、人類学とは何なのか(あるいは、何ではないのか)。他者とともにありながら応答することは、私たちをわかりなおす実践である。
6月14日(日)15:10-17:10
【os_D】
デザインとデザイン学:今、まさに学術研究と実践のあいだを問う
オーガナイザー
井口 壽乃 (モデレータ、埼玉大学名誉教授/市販図書企画・編集委員会)
パネリスト
池田 美奈子(Edit-and-Design 編集者)
井登 友一 (立命館大学教授)
菅 靖子(津田塾大学教授)
その他調整中
2026年5月に日本デザイン学会は、一般書籍シリーズ「デザイン学叢書」第1巻を出版する。今後「デザイン学叢書」を毎年1冊のペースで継続するにあたり、学会にとって、また社会にとって意義深いプロジェクトとして育てていくために、オープンに議論する契機としてシンポジウムを提案する。
デザインという創造的行為は、人々の生活や社会と密接に関わるため、デザインされたモノやコトが及ぼす影響は広範に及ぶ。そもそもデザイン研究はデザインの創造行為と、その創造プロセスにおける方法や技術の探求の両輪からなることを自明としている。哲学や歴史学、社会学、心理学などの人文社会科学と建築、機械工学や電子情報工学などの工学が融合され、デザイン学という学問が成立しているのである。それ故、日本デザイン学会の多様な専門性がどのように社会の実践活動と関われるのかが問われている。
本セッションでは、「デザイン学叢書」第1巻の執筆者の中から、井登友一氏(デザイン思想)、菅靖子氏(デザイン史)、叢書の編集およびデザインを担当した池田美奈子氏を登壇者として計画している。第1巻出版に携わった方々の経験を踏まえながら、オーディエンスと共に次巻以降の出版のあり方について考えたい。
【os_E】
医療とデザインが出会うところ−医療とデザインの新たな研究領域に向けて−
オーガナイザー
吉橋 昭夫(Design Practice Lab.)
パネリスト
黄 世捷(聖マリアンナ医科大学)
富士 聡子(富士通株式会社)
油井 千佳子(北原グループ 株式会社KMSI)
本オーガナイズド・セッションは、「医療サービス」および「患者体験(Patient Experience)」 を軸に、医療とデザインの関係を新たな研究領域として捉え直すことを目的とする。近年、医療現場では診療の質や効率性のみならず、患者が医療をどのように経験するかが重要な課題として認識されるようになっている。こうした文脈において、情報デザイン、サービスデザイン、UXデザインなど、デザイン分野の知見や方法論はすでに部分的に導入され、一定の成果を上げてきた。
一方で、それらの実践や研究は医療、デザイン、教育といった異なる領域に分散しており、デザイン学の立場から体系的に整理・共有されているとは言い難い。本セッションでは、医師、大学研究者、デザイナーといった異なる立場の登壇者による実践・研究事例を通じて、医療サービスと患者体験をめぐる既存の知見をマッピングし、相互の接続可能性を検討する。
その上で、医療とデザインを単なる応用関係としてではなく、社会的要請に根ざした新たな研究分野として位置づけるための論点や課題を明らかにする。本オーガナイズド・セッションは、研究分野形成に向けた基盤づくりの場としたい。
【os_F】
複雑な社会に対峙するシステミックデザインの可能性と課題
オーガナイザー
水内 智英(京都工芸繊維大学)
パネリスト
南部 隆一(株式会社ACTANT)
武山 政直(慶應義塾大学)
岡本 晋(一般社団法人 monlon)
水上 優(合同会社メッシュワーク)
本オーガナイズドセッションは、システミックデザインをテーマとする。システミックデザインは、社会・技術・自然環境が複雑に絡み合う現代において、長期的かつ間接的な影響関係を踏まえながら、多様なステークホルダーと協働し、社会システム全体に関与するための理論的・方法論的枠組みである。近年、その重要性は国際的にも高まりを見せており、Design Research Society(DRS)の国際会議では主要な研究トラックとして扱われ、International Association of Societies of Design Research(IASDR)2025においても、システミックな視点や方法論が重要なテーマとして位置づけられている。本セッションでは、理論的枠組み、方法論、具体的な実践事例を横断的に共有し、日本のデザイン研究・実践における今後の展開可能性と課題を検討する。とりわけ、公共政策立案、持続可能性、事業・組織設計といった多様な領域を視野に入れ、社会変革のプロセスにおいてデザインが果たし得る役割を多角的に議論する場とするとともに、研究者・実践者間の対話を促進する。
