講演情報
[2K0201-07-02]複雑硫化鉱からの浮遊選別による有価金属回収改善に及ぼす有機酸の影響
○坂入 栞1[学士課程]、Suyantara Gde Pandhe Wisnu1、三木 一1、岸 海斗1、Ulmaszoda Akbarshokh1、沖部 奈緒子1 (1. 九州大学工学部地球資源システム工学科 資源処理・環境修復工学研究室)
司会:伊藤 真由美(北海道大学)、パク イルファン(北海道大学)
キーワード:
浮遊選別、複雑硫化鉱、有機酸、黄銅鉱
近年、世界的な経済発展に伴い鉱物資源需要が急増している。資源の大部分を輸入に依存する日本において、難処理複雑硫化鉱からの有価金属回収改善は大きな課題である。研究に用いた複雑硫化鉱は銅・鉛・亜鉛を豊富に含むが、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、黄鉄鉱が複雑に共生しており、単体分離は容易ではない。既存プロセスでは、不純物鉱物の抑制にシアン化物等の毒性の高い試薬が使用されることが多く、環境負荷の低減が大きな課題となっている。 そこで本研究では、環境調和型の浮遊選別プロセス構築を目指し、金属錯体形成能を持つ有機酸を抑制剤として検討した。実複雑硫化鉱精鉱試料を用いた浮遊選別試験に加え、FTIR測定により鉱物表面への吸着機構を解析した。 実験の結果、トリメリット酸を用いた系において、黄鉄鉱および閃亜鉛鉱の浮遊が顕著に抑制され、黄銅鉱の選択的回収率が向上した。FTIR解析より、トリメリット酸がこれら不純物鉱物表面へ特異的に吸着し、親水化に寄与していることが示唆された。本手法は、有害試薬に頼らない新たな選別法として有望である。
