講演情報

[3K0401-08-02]硫酸鉄浸出に伴う黄銅鉱表面変質層のGCIB-XPSによる深さ方向分析

○谷口 樹1[修士課程]、黒川 修1、小森田 勝也2、谷ノ内 勇樹2 (1. 京都大学、2. 九州大学)
司会:安達 謙(東北大学)

キーワード:

黄銅鉱、浸出、GCIB、XPS、半導体

黄銅鉱(CuFeS2)の硫酸鉄(III)溶液による浸出過程では、表面に変質層が形成され、反応速度が著しく低下する不働態化が大きな課題である。本研究では、この変質層の化学構造と深さ方向の組成分布を詳細に解明するため、ガスクラスターイオンビーム(GCIB)スパッタリングを用いたXPS深さ方向分析を実施した。GCIBは従来のモノアトミックイオンと比較して原子の結合状態や電子状態へのダメージを抑えたまま、数百ナノメートルに及ぶ深部まで評価できる特長を持つ。分析の結果、浸出後の表面において鉄が優先的に溶出し、相対的に銅が富化した層の形成と、内部に向かって緩やかに変化する詳細な組成勾配を捉えることに成功した。さらに、各元素の内殻電子に深さ方向の系統的なピークシフトが観測されるとともに、鉄において特有のケミカルシフトが確認された。これらは変質層内におけるバンドの曲がりや、鉄の化学状態の変化を反映している可能性を示唆している。