開催概要
第75回コロイドおよび界面化学討論会
討論会主題: 討論会主題:先端計測・解析が切り拓くコロイド・界面の新展開
実行委員長:蟹江澄志(東北大学)
東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センター
協賛: (依頼中を含む)応用物理学会、界面動電現象研究会、化学工学会、光化学協会、高分子学会、材料技術研究協会、錯体化学会、色材協会、触媒学会、電気化学会、電気学会、土壌物理学会、ナノ・バイオメディカル学会、ナノ学会、日本家政学会、日本吸着学会、日本香粧品学会、日本混相流学会、日本材料学会、日本食品科学工学会、日本食品工学会、日本生物工学会、日本生物物理学会、日本セラミックス協会、日本中性子科学会、日本トライボロジー学会、日本熱測定学会、日本農学会、日本バイオマテリアル学会、日本肺サーファクタント・界面医学会、日本表面真空学会、日本物理学会、日本分析化学会、日本膜学会、日本水環境学会、日本薬学会、日本油化学会、日本レオロジー学会、表面技術協会、腐食防食学会、粉体工学会、粉体粉末冶金協会(五十音順)
後援: 日本農芸化学会
会場:東北大学川内北キャンパス(仙台市青葉区川内 41)
青葉の風テラス(仙台市青葉区青葉山2-1外 地下鉄東西線「国際センター駅」2F)
催事内容 :
アカデミックプログラム
総合講演 (9月18日(水)午後,東北大学萩ホール、東北大学川内北キャンパス)
「女子大生誕生の地におけるDEI推進の取り組み」
「表面力を極める:Forcemetryの確立を求めて」
Lectureship award受賞講演(9月18日(水)午後,東北大学萩ホール、東北大学川内北キャンパス)
Prof. Bernard P. Binks (University of Hull)
"Surfactants and Particles at Fluid Interfaces"
令和6年度奨励賞受賞講演
科学奨励賞
安原 主馬 氏 (奈良先端科学技術大学院大学)
「バイオミメティック両親媒性高分子による脂質膜の構造・機能制御」
赤松 允顕 氏 (鳥取大学)
「水界面で形成される超分子会合体・集合体を利用した高次機能の発現と応用」
技術奨励賞受賞講演
振角 一平 氏 (花王株式会社)
「『快適・安心・安全』を支えるバイオフィルム制御研究」
一般研究発表(9月17日(火)~ 9月19日(木),東北大学川内北キャンパス)
1. 界面活性剤と両親媒性物質
オーガナイザー:酒井 健一(東京理科大)、山下 裕司(神奈川大)、秋山 恵里(花王(株))、森垣 篤典(ライオン(株))
界面活性剤や両親媒性物質は、日常生活の多くのシーンにおいて重要な役割を果たしています。物質の合成から溶液物性、相挙動まで基礎的な現象論や理論に加え、可溶化、乳化、分散、また超分子集合体やゲルなど様々な応用事例まで、幅広い話題について議論を募集します!
(1) 界面活性剤の合成・溶液物性、(2) 分子集合体・相挙動、(3) ゲル・液晶、(4) エマルション、(5) 起泡・消泡、(6) 応用・開発、(7)分析手法
2. 分子膜
オーガナイザー:藤森 厚裕(埼玉大)、菱田 真史(東京理科大)、松原 弘樹(広島大)、牧浦 理恵(大阪公立大)
LB膜、自己組織化単分子膜、脂質二分子膜、吸着膜など、組織化膜に関するセッションです。対象は、有機、無機、高分子、バイオを問わず、配向分子膜の構造と機能について議論します。配向分子膜の基礎的な物性と応用、新規分子素子や生命の起源に迫る研究などについて活発な議論が期待されます。
3. ソフトマターとバイオシステム
オーガナイザー:宮田 隆志(関西大)、水上 雅史(東北大)、佐藤 高彰(信州大)、伴 貴彦(大阪大)
高分子、液晶、コロイド、生体分子などのソフトマターは幅広く利用されている。生体は、ソフトマターが非平衡状態で連携した優れたバイオシステムで生命活動を維持している。本セッションでは、相転移や自己駆動などの物理化学現象も含めたソフトマターとバイオシステムの基礎と応用について議論する。
4. 微粒子・ナノ粒子・ナノマテリアル
オーガナイザー:須川 晃資(日本大)、橋詰 峰雄(東京理科大)、川﨑 英也(関西大)、大場 友則(千葉大)
金属・金属酸化物・半導体・高分子・炭素・有機分子など多岐に渡る材料で構成される微粒子・ナノ粒子が対象になるセッションです。
それらの合成法、物性・機能評価、応用まで幅広いステージの研究について発表がなされ、活発に議論が展開されます。
(1) 合成・作製プロセス、(2) 構造・物性、(3) 機能・応用、(4) 理論・計算科学
5. 分散・凝集
オーガナイザー:日下 靖之(産業技術総合研究所)、石田 尚之(同志社大)、桑折 道済(千葉大)、渡邉 哲(京都大)
粒子分散系は近年、エレクトロニクスなどの新たな分野においても重要性を増す一方で、分散手法や安定性評価、制御には未だ課題が山積している。本セッションは、界面のミクロ現象から粒子間相互作用を経て、バルク粒子の挙動や粒子構造形成に至るまでの、幅広い空間・時間スケールでの分散凝集を、体系的かつ俯瞰的に議論する。
(1) 分散系の安定性とその理論、(2) 濃厚分散系、(3) 界面電気現象・界面動電現象、(4) 粒子表面間力、(5) レオロジー、(6) コロイド結晶・粒子配列、(7) 応用・開発、(8) 分析手法
6. 固体表面と濡れ・吸着・接着
オーガナイザー:近藤 篤(大分大)、大久保貴広(岡山大)、山田 真爾(花王(株))、渡邉 智(苫小牧高専)
固体表面に関する基礎から応用までの研究を幅広く取り扱います。固体表面の濡れ性、固体表面や細孔への分子やイオンの吸着現象や触媒反応、固体表面の接着や摩擦・潤滑をはじめ、機能性固体の製造や微細加工なども加えた固体表面の機能創出につながる研究を発表対象として、活発な議論を展開します。
国際シンポジウム(9月20日(金)、東北大学川内北キャンパス、青葉の風テラス)
オーガナイザー:藤井 秀司(大阪工業大学)、蟹江 澄志(東北大学)
本討論会の国際化を進めるために、国際交流委員会が主体となって国際シンポジウムを企画・実施します。
一般シンポジウム
シンポジウム1「 バイオコロイド界面化学:生体分子/コロイドと生体膜との相互作用を読み解く」
企画提案者:川上亘作 (物質・材料研究機構)、菱田真史 (東京理科大学)
エクソソームや胆汁酸ミセルなど、生命機能維持には多種多様の分子集合体が関与している。また新型コロナワクチンの開発において、脂質ナノ粒子が大きな貢献を果たしたことは記憶に新しい。生体関連分子およびそれらを構成要素とするバイオコロイドと生体膜の相互作用理解は、人類の生命機能維持に極めて重要である。本シンポジウムにおいては、生命機能維持や疾患治療に関与する生体関連分子およびそれらが形成するバイオコロイドの膜透過に注目し、人類の健康維持におけるコロイド化学の役割を薬学・工学の垣根を超えて議論する。
西川 元也 (東京理科大)
「細胞外小胞と核酸の組み合わせによる治療システムの開発」
若林 里衣 (九州大)
「両親媒性ペプチド集合体の細胞内デリバリー」
池田 恵介 (富山大)
「薬物キャリアとしての応用を目指したpH感受性膜透過環状ペプチドの開発」
杉原 加織 (東京大)
「抗菌性ペプチド・ダブル協奏効果を用いた新抗菌薬開発」
川上 亘作 (物質・材料研究機構)
「消化管内コロイドに可溶化された薬物の膜透過」
シンポジウム2「弱酸塩型アニオン界面活性剤(カルボン酸塩、アミノ酸塩、リン酸塩など)の科学」
企画提案者:坂井隆也(花王)、加賀谷真理子(花王)
工業的に用いられる界面活性剤は多く存在するが、肌に対してマイルドという視点から香粧品用途に用いられる主界面活性剤は、世界共通で弱酸塩型界面活性剤(カルボン酸塩、アミノ酸塩、リン酸塩など)である。脂肪酸石けんに端を発する弱酸塩型界面活性剤は、長い間実用化されてきたにも関わらず、通常のアニオン界面活性剤とは大きく異なるその会合挙動や水溶液物性の特殊性から、理解が進んでいるとは言い難いのが実情である。界面活性剤の歴史を振り返っても、日本は、この種の界面活性剤の開発を積極的に行ってきた経緯もあり、日本に眠る弱酸塩型界面活性剤の知見をまとめて議論する場を提供することを提案したい。界面活性剤の規制が進み、新しい界面活性剤の開発が難しくなっている昨今、世界的に界面活性剤に関する研究も目に見えて減少していることからも、この企画の意義は大きいと考える。
坂本 一民 (東京理科大)
「弱酸性界面活性剤としてのアミノ酸系界面活性剤の特性と不斉会合体形成」
太田 明雄 (金沢大)
「希薄水溶液系におけるアシル化アミノ酸型界面活性剤の特異会合」
矢田 詩歩 (東京理科大)
「泡沫特性の向上を目指したアミノ酸系およびカルボン酸系界面活性剤に関する研究」
竹山 雄一郎 (ポーラ化成工業)
「クリーム石鹸洗顔料の安定化におけるポリオールの影響」
加賀谷 真理子 (花王)
「弱酸塩型界面活性剤POEアルキルエーテルカルボン酸塩の会合挙動と皮脂洗浄性能」
田中 佳祐 (日光ケミカルズ)
「モノアルキルリン酸エステルの特徴と溶液物性」
坂井 隆也 (花王)
「モノドデシルリン酸カリウム1中和塩の水中での会合挙動」
シンポジウム3「ディスパージョンダイナミクス」
企画提案者:米澤 徹 (北大)、武田 真一 (武田コロイドテクノ・コンサルティング)
本企画では、材料設計・創成、さらにプロセス設計などにおいて近年重要な課題とされる分散・凝集に関し、コロイド化学の示す役割などについて、最新の研究成果の共有ならびに技術的課題の解決に向けた広範囲の専門家による講演を行う。特に、分散凝集のダイナミクスに着目し、その基礎から、それらを応用することで生まれる材料の新しい特性や可能性について紹介する。今回、参加者が新たな知見を得るとともに、相互に情報交換を行い、今後の研究や産業応用に活かすことを目的とする。
荒井 俊人 (物質・材料研究機構)
「金属ナノ粒子の自己焼結制御とプリンテッドエレクトロニクス応用」
小林 幹佳 (筑波大)
「高分子とコロイド粒子の混合分散系のダイナミクス」
奥薗 透 (名古屋市立大)
「不均一濃度場中における表面化学反応を伴う荷電コロイドダイナミクス」
酒井 健一 (東京理科大)
「界面活性剤が形成するα型水和結晶の吸着ダイナミクス」
シンポジウム4「NanoTerasu 先端研究を切り拓く若手研究者:コロイド界面化学との連携に期待」
企画提案者:蟹江澄志(東北大学)
東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センター 共催企画
高田 昌樹 (東北大)
「コロイド・界面科学とナノテラス」
二宮 翔 (東北大)
「吸収端を使い分けたXAFS~テンダーから硬X線まで~」
宮脇 淳 (量子科学技術研究開発機構)
「超高分解能共鳴非弾性軟X線散乱による物質科学への挑戦」
星野 大樹 (東北大)
「コヒーレントX線散乱による異方性コロイド粒子のダイナミクス解析」
堀尾 眞史 (東京大)
「軟X線雰囲気光電子分光によるその場電子状態観察」
石黒 志 (東北大)
「X線タイコグラフィイメージングとX線吸収微細構造を組み合わせた顕微分光法による化学状態イメージング」
金子 房恵 (住友ゴム・東北大)
「NanoTerasuにおけるテンダーX線タイコグラフィの測定例と今後の展望」
特別シンポジウム「日本―台湾二国間交流シンポジウム」
コロイドおよび界面化学分野では、これまでも日本の研究者と台湾の研究者との間で多くの共同研究、ならびに人的交流も行われてきた。また、2015年には、台北において台湾・日本での二国間のシンポジウムも開催されている。本シンポジウムでは、日台の研究者が対面で集い、研究成果を発信・議論するとともに、今後の共同研究・人的交流のさらなる活性化を図ることを目的とする。
Toyoko Imae (Graduate Institute of Applied Science and Technology)
"Manufacture and uses of colloidal composite materials"
Shyh-Chyang Luo (National Taiwan University)
"Applying Colloidal Lithography to Nanostructured and Functionalized Conducting Polymers"
Tetsu Yonezawa (Hokkaido University)
"Concentrated Dispersion of Structure Controlled Copper Nanoparticles for Modern Semiconductor Industry"
YING-CHIH LIAO (National Taiwan University)
"Photocurable Multiphase Mixtures for 3D Printed Lightweight Structures"
Chien-Hsiang CHANG (National Cheng Kung University)
"Development of Microalgae Oil-Based Drug Delivery Systems"
Cathy McNamee (Kyoto University)
"Change in the forces between charged surfaces in aqueous solutions by audible sound"
Tzung-Han Chou (National Yunlin University of Science and Technology)
"Development and Characterization of Functional Nanoemulsions Based on Insect Oils for Phytochemical Delivery"
Syuji Fujii (Osaka Institute of Technology)
"Polyhedral liquid marble"