講演情報

[1C-01]ログ削減による決定論的並行性制御の高速化

*宮島 蒼一郎1、川島 英之1 (1. 慶應義塾大学)
発表者区分:学生
論文種別:ショートペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

トランザクション処理

分散トランザクション処理において、決定的並行性制御は分散コミットプロトコルを必要としない効果的な手法として知られている。しかし、Calvinに代表される既存システムでは、ロギングに伴うオーバーヘッドが性能のボトルネックとなっている。本研究では、決定的並行性制御における新しいログ削減手法を提案し、システムの正確性を維持したまま性能を改善する。 本手法の特徴は、リカバリに必要な情報を各データ項目の最終書き込み値のみに限定し、中間状態の記録を省略できる点にある。特に読み取り専用トランザクションについては、不要なログ記録を特定して省略する選択的ロギング機構を導入した。 提案手法の評価のため、Calvinのアーキテクチャを基にした決定的データベースシステムに実装を行い、様々なワークロードで実験を実施した。その結果、特に従来のロギング機構が不要なオーバーヘッドを生じやすい低競合ワークロードにおいて、顕著な性能向上を確認した。