講演情報
[1L-02]サブキーを用いた準同型暗号文ランダム化
*鈴木 拓也1、山名 早人1 (1. 早稲田大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり
キーワード:
準同型暗号、ランダム化、プライバシ
準同型暗号におけるレイテンシが長い欠点の解決策として,クラウドの隔離実行環境上で暗号文を復号し,アプリケーションの一部を平文で実行する手法が提案されている.しかし,復号に必要な秘密鍵が隔離実行環境上から窃取され,任意の暗号文が復号される危険性がある.この危険性への対策として,本論文では,サブキーを用いた暗号文ランダム化手法(HE-CRUSK)を提案する.HE-CRUSKは,HE-CRUSK未適用時と等価な準同型暗号アプリケーションをプログラム通りに実行した場合に限りデランダム化できるように一定の制約の下,暗号文ごとに固有のサブキーをランダムに生成して暗号文をランダム化する.サブキーはデータ所有者のみが所持するため,クラウド上の全てのデータが漏洩しても,HE-CRUSKでランダム化された暗号文の機密性は保護される.評価実験では,HE-CRUSK未適用時での暗号化と比べ,HE-CRUSKの暗号化およびランダム化では,7次多項式関数における変数と定数のそれぞれについて1.554倍と13.346倍のレイテンシがデータ所有者において生じることを確認した.