講演情報
[1L-04]Intel SGX上における準同型暗号の秘密鍵に対するサイドチャネル攻撃緩和策の性能検証
*坂井 駿太1、橋本 太志1、鈴木 拓也1、山名 早人1 (1. 早稲田大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり
キーワード:
Intel SGX、サイドチャネル攻撃、隔離実行環境、クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティング技術の普及に伴い,クラウド上のデータの機密性保護が重要となっている.データの機密性保護を行う手法としては,データを暗号化したまま計算できる準同型暗号がある.しかし,準同型暗号には,1)条件分岐等の直接実装できない処理がある,2)平文よりも計算時間が長い,という欠点がある.こうした問題を解決するために,準同型暗号と隔離実行環境技術を組合せ,準同型暗号の秘密鍵を隔離実行環境内に保存すると共に,隔離実行環境内で一部の暗号文を復号して計算する手法が提案されている.本研究では,同手法の安全性を検証するため,隔離実行環境内のデータがサイドチャネル攻撃によって窃取されるリスクを評価する.具体的には,Intel SGXを対象に秘密鍵のサイズ及び同時に実行される他の処理の内容や数を変数として,隔離実行環境内の秘密鍵の窃取時間を測定する.さらに,秘密鍵の漏洩リスクを緩和する実行条件について考察する.検証の結果,鍵寿命を長くするためには,大きなサイズの秘密鍵を使うことが有効であり,同時に実行される処理によって鍵寿命を最大3.57倍伸ばすことができるとわかった.